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女性化キャプション (3)
オマール・ベルの世界:グレート・チェンジに関する簡単な歴史とその影響の考察
女性化キャプション (1)&(2)
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[2019/03/11] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | コメント(-)

リンクのメモ 

http://www.lelo.com/blog/erotic-fantasies/



[2017/06/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

願い事には注意して (19) 


ウェンディは、あたしの上でプロのベリーダンサーのように、ゆったりと身体を動かし始めた。そういうふうにしてあたしを犯している彼女のカラダのひとつひとつのパーツ。それらが一緒になって揺れ続けている。ウェンディがすごく美しく見えた。

でも、後になってからだったけれど、そんな彼女のセクシーなダンスは、実は、別の行為を隠すためだったと知ったのだった。

ウェンディが何をしているのか分からなかったけれど、少したった後、彼女の片手が後ろに回っているのを感じたのだった。それに気づいた次の瞬間、ウェンディがあたしの睾丸を握ったのを感じた。痛い感じじゃない。だけど、しっかりと握られた。

「あたしのあそこにいっぱい出して!」

ウェンディはそう唸ると同時に、お腹や胸を突き出すようにして頭を後ろに倒した。とても淫猥だけど、美しい。あたしの身体の上、ほとんど仰向けになるほどのけぞって、彼女の髪の毛があたしの脚に触れるのも感じた。

その姿勢のまま、ぐいぐい腰を動かし、ああっ、ああっと甲高い声をあげている。ウェンディのあそこの筋肉があたしのおちんちんを強く締めつけ始めるのを感じた。

この攻撃に、あたしも限界点を超えてしまった。

この時のオーガズムはさっきのとは違っていたけど、理性が吹っ飛ぶ感じなのはまったく同じ。

最初は、身体が硬直するのを感じた。身体の筋肉すべてがぎゅーっと緊張する。耐えられないほどの緊張。

目をかっと見開き、あごを強張らせながら口を開けていた。かすれ声をあげているのが聞こえる。この声、自分の声なの? 両手でウェンディの腰をがっちりつかんで、ぐいっと自分に引き寄せていた。おちんちんをできるだけウェンディの奥に突き入れようとしてる。あたしの指が彼女の腰に食い込んでいる。ウェンディもそれを感じて驚いたのか、悲鳴をあげている。

「ああっ、すごい!」 

あたしは大きな声をあげていた。それと同時に、それまで高まっていた痛いほどの緊張が急に解放され、身体じゅうのあらゆる場所がぼんやりと暖かくなるのを感じた。

もう2回、腰を突き上げた。そして、おちんちんから噴射が始まるのを感じた。熱い体液がウェンディの身体の中に撃ち出されていく!

「ああぁぁぁ……ラリッサ!」

ウェンディがか弱い声で泣きだすのが聞こえた。あたしの出した精液が彼女の身体の中をどんどん満たしていってるんだと分かる。

目を開けると、ウェンディがあたしを見おろしていた。彼女は、驚いたような、切なそうな、愛しそうな目であたしを見つめていた。

「こんなにたくさん出されるなんて!」

そう言われて初めて、ふたりがつながっている部分に目を向けた。

白い体液が、ウェンディのあそこから溢れ出ていた。あたしのおちんちんをだらだらと伝ってベッドに流れている。あたしの濃い精液とウェンディの甘い愛液が混じった濃厚な香りが立ちのぼってくる。

あたしはたまらなくなって、ウェンディの後ろ首を掴んで、引き寄せ、激しく唇を重ねた。

舌をウェンディの歯茎に這わせ、舌先で撫でた。おちんちんがヒクッとなって最後の一滴が彼女の中に噴射するのを感じる。

でも、まだ終わってないわ。しなくちゃいけないことがまだあるの。

ウェンディの首を抱きかかえたまま、カラダを起こした。それにつられてウェンディはキャッと可愛い声をあげて横に転がった。唇を重ねたまま、クスクス笑っている。

「今度は何をするつもり?」

ちょっと驚いたような感じでウェンディは訊いた。でも、まだ興奮状態は続いている様子。

あたしは素早く態勢を入れ替えて、今度はあたしが上になった。

ウェンディはお尻をベッドの端にして仰向けになっている。あたしのおちんちんはまだ彼女の中、広げた脚の間、びちゃびちゃになっていた。

「まだ、ウェンディは完全にイッテないでしょ?」

[2017/02/09] 願い事には注意して | トラックバック(-) | CM(0)

本家サイトの変更のお知らせ 

本家サイトの変更のお知らせ

いろいろご迷惑おかけしています。

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本家のページは上記のアドレスに!

よろしくお願いいたします。
[2016/09/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(2)

願い事には注意して (18) 

「んんんッ! むむむッ!……」

あたしに舌を吸われて、ウェンディがうめき声をあげた。ウェンディはウェンディで、両手を下に伸ばして、あたしの胸をぎゅっと握った。

最初は貪りあうような激しいキスをしてたけど、だんだんと優しい穏やかなキスに変わっていった。むしろ、ふたりとも、キスよりカラダを触りあうことの方に興味が移っていった。ふたりとも、両手で互いの身体をまさぐりあう。

ウェンディの手は柔らかかったけど、でも、しっかりあたしの乳房を握ってた。その握った手の指で、乳首を弾かれ、あたしは思わず、ああんとヨガリ声をあげた。

ウェンディは、あたしの胸をいじりながらも、絶え間なくあそこをあたしの股間へと叩きつけていて、あたしのおちんちんをどんどん奥へと入れていく。

敏感な乳首を指で摘まれ、全身に電流が走る。激しく股間を攻められ、どっちがどっちを貫いているのか分からなくなる。犯してるのに、犯されている感じ。あたしは、どんどんと絶頂へと追い立てられていった。

ウェンディはしばらくそんな攻撃を続けていたけど、ようやく、少し攻撃の手を緩めてくれた。少しカラダを離し、両腕を後ろに突いて身体を起こし、あたしのことを見おろしている。

[2016/07/19] 願い事には注意して | トラックバック(-) | CM(0)

願い事には注意して (17) 


ウェンディも快感に圧倒されているように見えた。

あたしは今はすっかり仰向けになっている。それにウェンディも背中を反らせていた。そして、その姿勢で、彼女はできる限りの強さで腰をあたしのおちんちんへと突き降ろし始めた。

あたしは両手を伸ばして、ウェンディの左右の乳房を握った。正直、彼女の胸にこういうことをするのを想像したことはあったけれど、実際は、そんな想像での一番イヤラシイ白日夢よりもずっと気持ち良かった。両手の指が彼女の柔肌に食い込む感触。手のひらに固く勃起した乳首が当たる感触。

「ねえ、気持ちいい?」 とウェンディが訊いた。

「ええ、すごく感じる」 かすれ声で答えた。

するとウェンディはさらに強く腰を打ちおろし、あそこの奥まであたしのおちんちんを取り込んだ。

「ああぁぁぁっ!」

思わず、ヨガリ声が出てしまう。

気づくと、彼女の乳房があたしの顔のすぐ前に来ていた。何センチも離れていない。

あたしは口を開いた。するとウェンディは優しく片方の胸を突き出して、あたしの口の中に乳首を滑り込ませた。

固く勃起しているのに、同時にとても柔らかい。それを口に含んで、優しく吸った。

「うううぅぅぅっ……!」

ウェンディはあたしに吸われて、低いうなり声を上げた。

あたしは彼女の乳首を吸うリズムに合わせて、腰を突き上げ始めた。突き上げると同時に、ちゅーっと乳首を吸う。

「アッ、ああっ! イヤッ!」

ウェンディは甲高い悲鳴をあげて喜んだ。そして、さらにいっそう強く腰を打ちおろし始めた。彼女の股間があたしの下腹部に強く当たり続ける。

もう信じられないほど強烈な感覚。いろんな意味で、2人とも激しく動き続けた。あたしも、完全に自制心を失っていた。後のことなんてどうでもいい、今だけ気持ち良ければいいの!

空いている方の手で、ウェンディのもう一方の乳房をぎゅっと握って、乳首を強くつねり上げた。

ウェンディは、きゅーっと背中を反らせて、それに合わせて股間をあたしに押しつけた。それから身体を揺らし始めた。どんどん、どんどん激しく動き始める。あたしも、その動きのリズムに合わせて、彼女の乳首を強く吸って、もう一方の乳首を強く引っぱった。

音が聞こえる。ふたりがつながってるところから、ぴちゃぴちゃとした音。あたしの睾丸がウェンディのお尻の頬を叩いている音だった。湿っぽい音も混じってる。

あたしのあそこの濡れた音? 違う! ウェンディから出てる滴があたしの肉茎を伝って、ぴちゃぴちゃ音を立ててる!

こんなことって正気とは思えないほどエッチ! そんなふうに思っていたら、ウェンディがあたしの頭の後ろに手を伸ばして、髪の毛を握った。そして、あたしの頭を引っぱって、あたしの顔を彼女の胸から離した。彼女の乳首が、本当に「ポン!」と音を立ててあたしの口から離れた。思わず顔を上げ、ウェンディの瞳を見た。強く吸われていたための苦痛と快楽が入り混じったような表情をしていた。

うーん、たまらない! ウェンディ、とても綺麗よ! すごくいい顔をしてるわ!

でも、ウェンディはすっかり貪欲になっていた。激しくあたしに身体を打ちおろしながら、口を大きく開けて、あたしに覆いかぶさって、またキスしてきた。

舌を尖らせて、あたしの口の奥へと挿しこんでくる。あたしは片手で彼女の乳房を揉みながら、彼女の舌を吸った。あたしのおちんちんを吸ってた、あの舌を吸って、口の中に引っぱり込み、ドロッとした彼女の唾液を飲んでいく。

[2016/06/17] 願い事には注意して | トラックバック(-) | CM(0)

願い事には注意して (16) 

ウェンディは両手をあたしの脚の両脇に突いたまま、ゆっくりと這いあがってきた。そして、左右の膝をあたしの脚の左右の外側に突いた。つまり、あたしの脚のところに四つん這いになって覆いかぶさっている形。お尻を向こう側の壁の方に向け、高く掲げてる。完璧な丸みの素敵なお尻。

乳房が張りを保ったまま、あたしの向こうずねの上5センチくらいのところに垂れている。そして、目はあたしの目をしっかり見つめてる。

その姿勢のまま、また這い上がってきた。彼女の肉体が、あたしの身体の近くを動いてるのは感じられるけど、実際はまだ、どこにも触れていない。

彼女の右の膝があたしの右の太腿のそばに来た。そして左の膝も右の太腿のそばに。そして、ピッタリとふたりの肌が触れた。彼女の柔らかい膝のあたりの肌があたしの太腿の肌に触れる。

そして今度は彼女の両手が触れてきた。あたしの胴体の側面をスーッと撫で上げてきて、脇の下に着た。そして、そのまま身体を下げてくる。それと同時にお尻をいっそう高く掲げた。猫が背伸びをするような身体の動き。それから流れるような動きで、ウェンディは滑るようにあたしの身体に身体を押しつけてきた。

最初は、彼女の胸があたしの太腿の付け根に触れるのを感じた。乳首だけが触れるような、本当にライトな接触。

次に彼女の身体全体が這い上がってくるのを感じた。彼女の乳房の谷間のところをあたしのおちんちんに押し付けてくるのを感じる。思わず、「ああーん」と声を上げてしまった。

ウェンディはそのまま前のめりになって、すぐに彼女のおっぱいがあたしのおっぱいに押しつけられるのを感じた。そこで彼女は動きを止めた。

ウェンディのおっぱいがあたしのおっぱいの上に載っている。重量感と熱がたまらない。乳首が固く立っていて、あたしの乳房の肌に食い込んでるし、あたしの固くなった乳首も彼女の乳房に食い込んでる。

そして、彼女の顔があたしのすぐ前に来てる。ぷっくり膨らんだ唇がとても素敵で綺麗。しかも、その唇にはあたしが出した精液の滴がついていて、糸を引いて垂れそうになっている。

ウェンディは注意深く、再び両膝を前に動かした。そして腰を上げ、そこで動きを止めた。彼女のあそこが熱を帯びてるのが感じられる。まだ触れていないけど、熱が放射されてあたしの下半身を照らしてる。彼女のあそこはあたしのおちんちんの上、3センチも離れていない。すごく近くて、その湿り気が感じられるほど。でもウェンディはそのまま腰を沈めてはこなかった。あたしはこんなに入れたい気持ちになっているのに、それに、彼女もあそこに入れてほしくて飢えているはずなのに、彼女はそうさせてくれなかった。

その代わりウェンディは前のめりになって、唇をあたしの唇に押しつけてきた。あたしは、これにちょっと驚いてしまった。どうして驚いたか分からないけど、驚いたのは事実。

そして、キス。彼女のキスにあたしはとろけていくような気持ちだった。ウェンディの唇はとても柔らかくて、まるで、あたしの唇をあやすためだけにできてるように感じられた。

彼女の顔面にも唇にもあたしの白濁がついていて、それがあたしの顔にも塗りつけられたけど、この、ほとんど天使のように美しいキスをされていて、全然気にならない。

心臓がドキドキ高鳴っていた。自然と身体が反ってくる。何だか、とても……彼女にキスされてることが、とても正しいことのように感じられてくる。

それに何より気持ちがいいの。どうしても声が出てしまいそう。

あたしは口を開いた。そして、ああーんと小さく、泣くようなよがり声を上げた。それと同時に、ウェンディも口を開いた。

ウェンディが、あたしが出した白濁を飲み下していなかったのは、たぶん、あたしも知っていたはずなんだけど、でも、その時に起きたことの心構えはできていなかった。

あたし自身の精液とウェンディの唾液が混じった生温かいものが、どろりと彼女の口から出てきたのだった。ああーんとヨガリ声を上げたのと同時に、どろりと流しこまれた。

あたしの出したちょっと塩辛い精液。それとウェンディの甘い唾液。それが混ざって、何と言っていいか分からない。

それを流しこまれて、あたしはさらに大きなヨガリ声を上げた。うがいをする時のように、喉のところでゴロゴロと鳴る。

その混じったものを、口の中に溜めこんで味を確かめたかったけど、お腹の中に入れてしまいたいという気持ちの方が上回った。ごくりと喉を鳴らして飲みこんだ。温かいものが喉を下っていく感覚。それに、こんな下品でイヤラシイことをしてるという感覚。そのふたつに全身が包まれる感じだった。

ウェンディは口に溜めていたものをあたしに飲ませた後、再び、あたしにキスをした。今度は前よりも情熱的に。

彼女の舌があたしの口に入ってくる。そして、あたしの舌や歯、歯茎の裏から頬の内側まで探ってきた。

彼女の舌を捕えたかったけど、そうしなかった。それよりも、彼女にされるがままになっていたかった。あたしに好きなことをしてほしいと。

ウェンディはあたしの口の中に残っていたあたしの精液や彼女自身の唾液をチューっと吸って、ごくりと音を立てて飲んだ。そうしながらも、あたしの口の中を舌で軽く叩くような動きを続け、ぴちゃぴちゃ、くちゃくちゃとリズミカルにイヤラシイ音を立てていた。そのリズムにあたしの方も反応し始め、あたしも彼女の誘うような温かい口の中に舌を挿し入れた。ウェンディの口の味がどんな味なのか確かめるために。それに、彼女がしてくれてることのお返しをしてあげるために。そうやってくちゃくちゃ音を立てながらキスを続けた。

そして、ようやくウェンディはキスを解いた。そしてあたしを見おろした。

「私、これまで、エッチした人は何十人もいるの」 ほとんど驚いているような口調だった。「……でも、こんな気持ちになったことは初めてよ、ラリッサ。してほしいの。お願い、私をヤッテ!」

ウェンディの言葉のひとつひとつに背筋がぞくぞくした。

「お願い……。私のあそこに、あなたのおちんちんを突っ込んで。できるだけ激しく。あたしを犯して。さっき、あなたをイカセてあげたでしょう? だから、今度は私を助けて。どうしてもヤッテほしいの!」

おねだりするような声であたしの耳元に囁きかけてくる。その瞬間、まさに彼女が言ったことをしようかと思った。だって、ウェンディと同じくらいあたしもそうしたかったから。でも、あたしは別の道を進むことにした。

「してあげてもいいかも……」 

あたしは落ちついた声で言った。腰を突き上げたけど、それほど高くは突き上げなかった。おちんちんの先が彼女のびしょ濡れになってる陰唇に触れた。その途端に、「うーん……!」と彼女は声を上げた。でも、あたしは突き上げるのはそこまでにした。

その気になればウェンディは、そのまま腰を沈めれば、挿入していたと思う。でも、彼女もこのゲームを気に入ったようだった。

ウェンディはあたしに微笑みかけながら、腰を回転させ始めた。あたしのおちんちんは、彼女のあそこの唇に擦りつけるようにされながら、ぐるぐる回されていた。でも、中には入らない。

「ラリッサ! ああ、ひどい人!」 あたしのおちんちんでクリトリスを擦りながら、彼女は喘ぎながら、そう言った。「ああ、どうすればいいの? 教えて? どうすれば入れてくれるの? 欲しいもの、何でもいいのよ。あなたに上げるから。だから、入れて、お願い!」

あたしは何も考えていなかったと思う。ただ口から言葉が出ていた。

「ウェンディ、あなたの魂が欲しいわ」

そう小さな声で言い、同時に、おちんちんで彼女のクリトリスを強く突いた。

「ああっ! ああーん、ラリッサ……。あなたのものよ!」

その言葉を聞くと同時に、あたしは両手を出し、ウェンディの見事な腰をがっちりと掴んで、あたしのおちんちんへとぐいっと引き寄せた。

「す、すごい!」

彼女を引き寄せながら、思わず、唸り声が出ていた。ウェンディの濡れた口が信じられないほど気持ちいいと思ったけど、それも、彼女の濡れたあそこに比べたら、全然、比較にならなかった。

文字通り、あたしの勃起を吸いこんで離そうとしない感じ。暖かいと同時に柔らかい。ねっとりと濡れていて、心が安らぐ感じ。

自分のあそこを自慰でいじって感じる気持ちよさは知ってるけど、でも、ウェンディのあそこにおちんちんを入れる方が、もっと気持ちいいように思えた。


[2016/03/31] 願い事には注意して | トラックバック(-) | CM(0)

オマール・ベルの世界2 (キャプション) 

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01
2021年の暮れ、ある偉大な男のおかげで世界は取り返しのつかない変化をこうむった。邪悪、その通り。勘違い、確かに。気が狂ってる、たぶん一番可能性が高い。オマール・ベル博士は善良な男ではない。だが、彼は偉大な男だ。もっと言えば、あまりに偉大なため、世界の歴史の流れを完璧に変えてしまった。これほど世界を変えたと主張できる人間は、男でも女でもボイでも、悪人だろうが英雄だろうが、他にはいないだろう。

現時点で誰もが知る通り、ベル博士(元ノーベル賞受賞者)は大気中にある生物エージェントを放出した。それは白人男性を女性化するよう設計されたものだった。そして、その生物エージェントはしっかりと仕事をしてしまったのである。世界のすべての白人男性がひとり残らず、ベル博士自身が述べた以下のような変化を経験した。

1.サイズ:白人男性は縮小し、むしろ白人女性と同じほどに小人化する。

2.体形:さらに白人男性の体形も変化し、腰回りが膨らみ、ウエストが細くなり、同時に臀部が丸く膨らむ。加えて、筋肉量もかなり失い、他の人種の男性よりはるかに弱い存在になる。

3.陰部:陰茎も縮小し、(平常時)おおよそ10センチ、(勃起時)15センチの平均から、(平常時)おおよそ3センチ、(勃起時)5センチへと小さくなる。白人ボイは勃起できないというのは、ありがちな誤解である。勃起は可能であるのだ。単に、その小ささゆえに、挿入する際に問題が生じるというのが事実である。

4.アヌス:誰もが知るように、白人ボイにとってセックスとは普通、アナルに挿入されることを意味する。だが、その理由は何か? それは、白人ボイのアヌスが女性のバギナとほぼ同じくらい性感帯になっているからと言える(女性のソレ以上の感覚をもつ者もいる)。それに加えて、これは私としては意図していなかったことではあるが、性的活動がピークに達した時期の白人ボイは興奮すると自然にアヌスに潤滑液を分泌し、挿入行為の摩擦を和らげるのである。さらに彼らのアヌスはかなりの柔軟性も獲得した。アナルセックスは初めてのときにはかなり苦痛を伴うものであることから、この柔軟化の性質は主にバージンのボイたちに影響を与えた。現在、ボイにとっての初体験は、女性が初めてバギナに挿入された時に感ずるものと同じようなものとなっている。

5.乳首:ああ、そして、これ。基本的に乳首は大きくなり、女性の乳首と同じく性感帯になっている。

6.体毛:白人ボイには体毛も髭もない。

7.顔つき:白人ボイの顔は若干丸みを帯び、かなり女性的な顔になっている。

8.フェロモン:白人ボイは女性が分泌するフェロモンに非常に似たフェロモンを分泌し、男性が分泌するフェロモンに反応する。グレート・チェンジの直後である現在、多少、狂ったように男性に関心を向けられることを求めているボイが多い。この現象は、ボイたちの肉体が新しいホルモンバランスに適応しきれていないことから発生した。だが、時間の経過とともに、このようなボイたちも性的パートナーの選択に関して以前より注意深くなっている。

9.性衝動:上記と関連した話題である。白人ボイが他の人間よりも性衝動が強いというのは、ありがちの誤解である。これは間違いである。最初はそう言えたかもしれないが、それはグレート・チェンジの直後に生じたホルモンレベルの上昇に起因したものであった。時間の経過に伴って、彼らのリピドーは平坦化し、典型的な女性と同レベルに落ち着いている。

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02
この状況は何から何までとても恥ずかしかった。これが起きる前は、自分が何者であるかちゃんと分かっていた。自分の立ち位置も知っていた。だが今は……今は自分を見失っている。今はどんなことでも起きるに任せているだけ。もはや、何をしてよいか分からなくなっているから。

考えてみるとすごく変。自分が以前はこんな自信満々の男だったなんて。でも、当然と言えば当然。私はこの国の最高レベルの大学フットボールチームでクォーターバックをしていたのだから。自分は「大学のビッグ・マン」という言葉にピッタリの男だった。だが、その時、オマール・ベルがあれを放出したのだった。ビールスだか生物エージェントだか知らないが……。そして何もかもが変わってしまった。自分も含めて。

自分が着れる服がないかと妹に訊かなくちゃいけなかった。恥ずかしくてたまらなかった。もちろん、妹の方は大はしゃぎして探しだし、クローゼットにあった中で一番女の子っぽい服を僕に着せた。そしてそれから、どういうわけか、僕に髪の毛を伸ばした方がいいと説得した。「ボイたちはみんなそうするの!」と妹は言った。そして僕はそれに従った。反論はありえない。

時々、昔の自分がどうだったかを振り返る。そして、昔の自分は本当は夢の中の姿にすぎなかったのではないかと思うことがある。今はそう感じている。まだ1年も経っていないというのに。これから自分の人生がどう変わっていくのだろう。それを思うと身体が震えてくる。

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03
最初からこうだったわけじゃない。ボクもしばらく抵抗していた。嘘じゃない。本当に抵抗した。まあ、最初の頃は、みんな、こんなの一時的なことだと思っていた。2ヶ月もすればみんな元に戻るだろうと。世界中の最高に頭のいい人たちが解決法を研究していた。そんな彼らに解決法が見つけられないなんて、ありえないだろうって。まあ、でも、オマール・ベルはその人たちよりも賢かったということなんだろうなあ。ボクたちは元に戻らなかったわけだから。

みんなじゃないけど何人かの人たちがボクを見る目が変わった。屈したことを咎めるような、まるでボクを裏切り者のように見る目。それこそ、ベルが望んだことだったんだけど。今は、あの人たちが言ってることが本当に思えてくる。とは言っても、本当のことを言えば、アレをするとボクも幸せな気持ちになれる。世の中の伝統主義者たちの中には理解しがたいことだというのは分かるけれど、本当に自然なことのように感じられる。何と言うか、ずっと前からボクはこうなるようになっていたのだと、そんな感じがする。もちろん、ボクは、ベルがしたことは悪いことだと知っているし、こんな事件は起こらなければ良かったとも願っている。ベルの事件は、ボクが本物の男性を見ると感じる、その感じ方を自分ができる以上に変えてしまった。それは事実。だけど、ボクならその事実を変えることができると思う。

それで? ボクは何をすべきなのだろう? 自分がこんなふうになってしまったのが気に入らないからという理由だけで、塞ぎこんで、本当の自分を否定する? 髪を短くして、スーツを着て、ボクが欲しいのは女性なんだと偽りの姿を演じる? ひょっとすると、そんな女性を見つけることができるかもしれない。ボクには彼女が欲しているものがあると偽ってくれる女性が見つかるかもしれない。そうやって、そんな彼女とふたりで偽りの人生を送ることができるかもしれない。何も変わっていないんだと振舞いながら。そういことをすべきなのだろうか? いや、そうは思わない。

ボクは、いまのボクなのだ。いま分かってる限りでは、この先も治療法は見つからないだろう。だったら、ボクは今の現状を最大限に活用するつもり。そうして幸せになる。もし、幸せになるためには、大きくて黒いおちんちんが必要だとなれば……まあ、その時は、それが必要ということなのだろうと思う。


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04
タミーは横目で彼を見た。そしてかすかな想い出が彼女の頭をよぎった。タミーは無視しようとしたけど、心に引っかかる断片のように、それはなかなか頭から離れようとしなかった。その時、彼女は、どうしてそうなのか分かったのである。

「サイモン? あなたなの?」

細身の愛らしいボイがおどおどとした目で彼女を見、そして頷いた。「僕だと気づかれなければいいと願っていたんだけど。こんな形では」

彼はそう言って、履いていた白黒のパンティを指差した。タミーは彼の向こうに視線を向けた。彼が出てきた着替え室へと。そこには衣類が山になっていた。……スカート、ドレス、ショートパンツ。

「素敵じゃない!」 とタミーは感嘆した。実際、サイモンは素敵だった。他の白人ボイたちと同様、オマール・ベルのウイルスは彼を変え、小柄で愛らしく女性的な姿にしてしまったのである。

「どんな調子?」

サイモンは細い肩をすくめた。「大丈夫、だと思う……考えてみればだけど」

こんな彼を見るのは、まったくシュールな体験だった。こんなにシャイで頼り無げなサイモンなんて。タミーがサイモンとデートしていた時、彼は非常に傲慢な男だったのである。むしろ、本当のことを言えば、その傲慢さがタミーにとっては好きなところだった。それに加えて、彼の大きなおちんちんも。

タミーはどうしても訊かずにいられなかった。「アレ、見せてくれる? 他のボイと同じように小さくなったの?」

躊躇うサイモンを見て彼女は急かした。「ねえ、恥ずかしがらないで。あなた、今は事実上、女の子なんだから。見てみたいだけなの。ねえ、ほら。前はいつも、喜んでアレを出したがっていたじゃない!」

「笑わないって約束してくれる?」 サイモンは小さく、女の子っぽい声で訊いた。タミーが頷くと、サイモンはゆっくりとパンティを膝まで降ろし、小さなふにゃふにゃのペニスを露わにした。3センチもなかった。

タミーはほとんど何も考えず言った。「すっごくカワイイ!」

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05
僕は前から自分のことは分かっていたんだ。いいかな? グレート・チェンジの前からすでに、僕は他の男とは違うと分かっていた。今となっては、僕がコンピュータの前に座って何時間、異人種間ポルノを見て過ごしたか、数え切れない。ほとんど、強迫観念と言っても良かった。

だが僕はそれを秘密にし続けた。誰も、僕の妻ですら、それを知らない。外に見せる姿、行動のすべてにおいて、僕はごく普通の男でいた。だが、心の中では……何と言っていいか、僕はビデオで見る女たちみたいになりたいと思い続けていたのだった。大きな黒いペニスをからだの中に挿入してもらいたい。どんな感じか感じてみたい。とは言え、僕は男たちが欲しがるようなカラダを持てないことは知っていた。たとえ女装する勇気を奮いたてたとしても、とても通用しないほど、僕は男性的すぎたのだった。

オマール・ベル・ウイルスの話しを聞いた時、まさに僕の妄想世界から飛び出してきたことのように聞こえた。でも、もちろん、こんなことはありえないだろうとも思った。何かのジョークに違いないと。だが、その時以来、僕のからだは変わり始めたのである。

もちろん、(他のボイたち同様)僕は世界の終わりが来たかのように振舞った。しかし、僕の男性性が薄れていくにつれて、僕はだんだん抑制しなくなっていった。僕のからだが変化を終えてから、すぐのことだったが、僕と妻との夫婦生活はすでに終わったことが明らかになった。それでもなお、僕はまだ男性としての立場を前面に出し続けた。それも、妻のおかげだったのかも。

だけど、どうしても押さえこむことができなくなった。僕は、とうとう、長年の夢を実現できるような肉体を手に入れたんだ。どうしても、この身体を試してみたくてしかたなかった。今にして思えば、妻に見つかるのは避けられないことだったと思う。でも、男性を家に連れ込んだりするとは思っていなかったのは確か。少なくとも、あんなことをされて、恥に思うだけの上品さは持っていたと思っていた……でも、それは彼にアレを入れられる瞬間までだった。アレを入れてもらった後は、僕は正真正銘の淫乱女のように絶叫し、よがり狂ったのだった。

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06
復讐は甘美な味がするものだ。個人的な経験から、それが分かる。

しっかり分かってほしいが、私はレイシストではない。私なら、オマール・ベルがしたことは間違っていたと真っ先に声を上げるだろう。絶対に、ブレもせず、そう言える。だが、彼があんなことをした理由は理解している。私は、自分自身、レイシストの白人男たちに痛い目に会わせたいと思っていた。だが、白人男性全員を懲らしめる? そんなことはまったく間違ってる。

しかし、それにはそれなりに、使える道があるのだ。

この、ふたりの男に犯されているボイはどうだろうか? ああ、このボイは、地元のKKK支部のリーダーの息子なのである。実際、愉快なことだ。このボイはかつては父親同様のレイシストだった。だが、彼はグレート・チェンジの後、すぐに調子を変えたのだった。彼が黒ペニスキチガイの淫乱になるのに時間はかからなかった。

いつになったら、彼の父親が嗅ぎつけてやってくるだろうかと僕は思っている。

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07
「ああ、ほんとにみんなこれを見たいと思ってるの? 確かなの? 何と言うか……少なくともパンティか何か履いちゃダメなの?」

あ、君はパンティを履きたいのかな? オマール・ベル・ウイルスだけで自分が変わることはないと言い続けていたのに、そんなボイに、いったい何が起きたのかな?

「だって…ただ、すごく露出してる感じで。それにアレ、すごく小さいし」

確かに露出している。それに小さいことはいいことなんだよ。まさにそれこそ、最近は、みんなが見たがってるんだ。君のような美しいボイが小さなおちんちんを見せている。それよりセクシーなことはないというふうになってるんだよ。君ならみんなを気が狂わんばかりにしちゃうだろう。

「でも、これって良いことなの? ただの写真でしょう? セックスとかそんなことはナシの」

ああ、ただの写真だよ。その後は、僕の家に戻って、お酒でも飲んでリラックスしよう。いいね? どうかな、良さそうに思わないかい?

「え、ええ…。でも、他は何もなしよ。いいわね? 何と言うか、この前の夜のこと。…あれは何かの間違いだったの。もう、あんなことは繰り返さない。そうでしょう? 別に嫌だったと言ってるわけじゃないの……言いたいのは、そうねえ、私たちはお友達だということだけ。そうでしょう? お友達の間柄を壊したくないでしょう?」

何とでも君が言うとおり。君の言うとおり。


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08
ここでは自分がとても場違いな気がする。ここにはいるのだけど、でも……私は他の人とは違う。私は白人ですらない……正確にはそうじゃない。私は例のウイルスには影響を受けないはずだった。私のような男には、通りすぎるはずだった。ここは私の居場所じゃない。

でも、それは私を通りすぎなかった。他の白人ボイと同じように身体が変わってしまったということは、私には白人の血が混じっていたに違いない。そして、今の私を見てみると、この通り……もう一人のラテン系のボイと一緒に裸でごろごろしながら、私たちのオトコが帰ってくるのを待っている。こんなの私の人生じゃないと思いたい。でも、こうする他に何ができるの?

私たちがまだ生きている理由はただ一つ。私たちが役に立てることを証明したから。かつて、私たちは、密輸組織の有能な兵士だった。多分、当時の私たちの仕事ぶりのおかげで、大目に見てもらえたのだと思う。私たちは、エル・ジェフェの私的ボイとなる名誉を与えられた。

少なくとも、他の人のように殺されることはなかった。


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こんなのイヤ。イヤ、イヤ、イヤ! てか、これはお兄ちゃんのせいじゃないのは分かってる。こうなることをお兄ちゃんが求めたわけじゃないのも分かってる。あのバカなウイルスがすべてを変えたのだし、お兄ちゃんはこの状態に何とか対応しようとしているところ。あたしは、それは分かってる。本当に分かってるのよ。でも、それと同時に、どうしても、お兄ちゃんがあたしの領域に割り込んできて、あたしから横取りしてるように思っちゃうの。

部分的には嫉妬心だと思う。て言うか、部分的なんてどころじゃない……大半が嫉妬心かも。でも、どう言ったらいいんだろ……どうしてお兄ちゃんはこんなにセクシーな格好しなくちゃいけないの? あたしのお兄ちゃんなのに。どうして、こんなことやってるの? どうして、お兄ちゃんは、それまでの行動を変えるのを拒否してる人たちのようになれないの? そういう人たち、みんなも知ってるわよね? 身体のサイズに合わなくなった男物の服を着て駆け回り、マッチョのように振舞おうとしてる人たち。どうしてお兄ちゃんはそうなってくれないの? そうなってくれたら、お兄ちゃんは、あたしの服を借りたりしないんじゃない? そうなってくれたら、お兄ちゃんのせいで、あたしがデートしようとする男たちも、気が散ったりしないわ。絶対に。

つい先週のこと。あたし、男の子を家に連れてきたの。彼、すごくイイ男なのよ。そして部屋に入ったら、そこにお兄ちゃんがいたのよ。素っ裸で。しかも、あの完璧なお尻をこっちに突き出して。まるで誘ってるみたいに。お兄ちゃんは恥ずかしそうな顔をしてたけど、でも、これしょっちゅうあることなのよ! お兄ちゃんは、あたしの人生の妨害をしようとしているみたいなの。

あたし、お兄ちゃんが大好きよ。本当に、大好き。それに、それまでは普通の20歳の男だったのが、こんな格好に……こんなセクシーなボイになってしまうのはショックだったのは分かるわ。でも、少なくともあたしの気持ちを考えてくれてもいいんじゃない?


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もはや、何から何まで全然、関係ないんじゃない? グレート・チェンジから、もうすぐ2年。政府は、もう、治療法が近々できるなんて取りつくろうことすらしなくなっている。最初は、政府は数ヶ月のうちに解決するって言ってたのに、今は……今は、それについて触れることすらしなくなった。ほとんど政府は諦めたようなもの。

そして、あたしたちの文化は適応した。事件が起きた時、みんな元に戻してくれと大騒ぎしたし、それも、もっともなことだった。あんな短期間に、あんなに大きな変化が起きたなんて、控え目に言っても大変なことだったもの。でも、今は? 今はあたしたちのうちのどれくらいの人が、元の状態に戻りたいと思ってるか、それすら分からなくなっている。

単にセックスだけが理由ではない。それも一部ではあるけど。あたしは、直接的な体験で、男としてセックスするより、ボイとしてセックスする方が、はるかに気持ちがいいと、自信を持って言えるし、そいは、あたしたちの身体がそういうふうに設計されてるからというのも知っている……それこそ、ベル博士が望んだことだから……。ベル博士のウイルスは、そのセックスがどんなふうに感じるかまでは変えていないのに。認めたくはないけど、今のあたしたちはセックス中毒になっている。あたしは、元に戻ることすら想像できないように思う……

でも、セックスの快感以上のものがあるのよ。感情的にも文化的にも、あたしたちはみんな前進してきた。結婚制度は終息した。対人関係も変わった。ボイと男性の間に新しいつながりが形成されてきた。そこには愛情がある。それは間違いない。あたしたちのどれくらいの人が、そのような関係を投げ捨て、またいちからやり直そうとするかしら? あまり多くはないわ……。


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最後のステップに入るのは、それまでのより辛いはず、とサムは思っていた。しかし、いったん決心した後は、ことはずっと容易く進んだ。実際、どんなことに関してもそう言うものなのだろう。何もかも、とても自然に進んだ。

最初は、グレート・チェンジによって影響を受けた大半のボイたち同様、サムもすべてを否定しようとした。いずれすべて元の姿に戻っていくはずと自分に言い聞かせた。どっちみち、政府の人たちが治療法について研究しているのだからと。でも、何ヶ月経っても、何も変わらなかった。ゆっくりと、しかし確実に、サムは適応していった。

必要に駆られて、彼はガールフレンドの衣類を着始めた。その衣類しか身体に合うものがなかったからである。彼は、変化は一時的なものだと考えていたので、新しい衣類を買う理由がなかったのだった。しかし、すぐには治療法が現れないことがはっきりしてくるにつれて、サムは諦め、適切な衣類を買い始めた。最初、彼は女性的なファッションに顔を背けた。確かに、女性用の服を着ていたが、これは一時的なもので、買う時にはユニセックスな衣類を買い求めた。しかし、しばらく経つと、彼は柔軟になり始め、可愛い彩り豊かなランジェリや普通は女性向きとされているキュートな服を着るようになるまで、そう時間はかからなかった。

そうなると髪の毛を伸ばし、化粧をし始めるのが自然なことのように思えた。他のボイたちもそうしている。それに、その種の努力をすると、男たちに注目される。それが好きになっていた。(ニュースでフェロモンとか性的な惹かれあいについての話しを読んでいたので)それが化学的な反応にすぎないことは知っていたが、だからと言って、男たちに注目されるのが楽しいという事実に変わりはなかった。彼が男たちと寝始めるのは、自然な展開にすぎなかった。

文化的にも、生物的にも、そして精神的にも、それはまさに自然なことだった。


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5年。私たちの社会が、オマール・ベル・ウイルスの効果に適応するのに要した期間は、それだけだった。確かに、陰謀論は存在する。いわく、政府が非道な手段を用いて、このような社会的変化を人民に押しつけたのだという陰謀論である。さらには、この事件の背後には最初から政府が関わっていて、この事件は恐怖によって人々をコントロールしようとする企みなのだと信じる人もいる。だが、事実は単純なのである。つまり、人類は適応可能だということである。人類が直面することが、自然災害であれ、進化上の不利であれ、人災であれ、関係ない。私たちは、生き延び、適応し、そして折り合いをつけていく。そして、人生は進む。オマール・ベル・ウイルスが大気にもたらされたことも、これらと違いはない。それは克服すべき障害なのであり、そして私たち人類は実際に克服したのである。

克服はしたものの、征服したわけではない。確かに治療法は獲得したが、いまだ、情けないほど非力である。科学者たちはいまだにベル博士の個人的研究を調査しているが、あまり高い希望は持っていない(なお、ベルの研究は、いまだに名前が知られていない秘密の調査官の努力で得られたものだった)。ウイルスの効果は、少なくとも大半のボイにとっては、いまだ存在しているのである。私たちは適応してきたし、いまだ適応を続けているのである。

中傷誹謗をするものは次第に少数になっている。進歩の車輪は回り続けている。もっとも遅れた地域においてすら、ボイたちが自由に自然の本能に従って行動できるようになるまで、そう時間はかからないだろう。しかし、そうなる時まで、私たちはその目標に向かって努力し続けるのである。

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ずっと前から、あたしは頭が良くなかった。だから、あたしがおバカなことは脇に置くことにしない? あたしは、こと知性に関して言えば、平均以上になったことが一度もなかったと言って平気なの。別に、それであたしは構わないの。一生、肉体労働するとか、レジ打ちして暮らしていくと言われても、別に平気。生活していけるなら、それで幸せなの。

でも、グレート・チェンジが起きたでしょ? あれであたしの以前の世界へのドアが閉じて、同時にまったく新しい世界のドアが開いたの。一方では、この小さくて、弱い体つきだから、肉体労働の仕事はちょっと問題外になった。ええ、小売店とかで仕事をしようとすればできるわ。もともと、それがあたしの元の計画だったし(世界的に大変化が起きていても、支払いはしなくちゃいけないもの)。でも、その時、あることに気づいたのよ……あたしって、とてもキュートだって。

ええ、そうよ。あたしがしていることであたしのことを判断する人はいっぱいいるわ。もちろん、その判断はって言うと、上から目線の判断よ。でもあたしは平気。モラルについて文句つけられても、あたしは変わらないって言いたいわけ。あたしには、何と言うか、スキルがあるの。それを使わなかったらバカでしょ?

もちろん、セックスの話しよ。多分、あなたは、売春はもはやそんなに大産業とは思っていないんじゃない? だって今は、男に対して、たくさんエッチ相手がいるものね。でも違うの。実際まだ売春は大産業。(ちなみに、あたしはエスコートと呼ばれてるけど、自分がやってることについて言い換えなんかしないわよ。あたしがしてることは売春) 特にあたしのようなキュートなボイだと、他の仕事で稼げるよりずっと大金を稼ぐことができるの。だから、何も問題はないのよ。確かにチェンジの前だったら、こんなことをするなんて夢にも思っていなかったわ。でもね、まあ、この通り、あたしは変わってしまったから。今は、身体の仕組み自体から、この仕事をするようにできているようなもの。だから、それを利用することに何の問題も感じていないの。


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セックス……セックスこそ、人間のすべての行動の源であると主張する人々がいる。それは議論の余地があるが、グレート・チェンジの幕開けにより、性的快感の追及が、我々の文化の最も重要な駆動力であることがますます明白になってきた。

アナルの感度が増したことにより確実になったこととして、これら白人男性たちが、セックスにおいて、女性的で従属的な役割を進んで持つようになったことがある。大半のボイは、自分のペニスを完全に無視し、その代わり、アナルを貫通されることを求めるようになった(もっとも、ペニスは、スケールが小さくなったものの、ほぼ依然と変わらぬ機能を持っている)。このようにアナルの貫通を好むことに加えて、フェロモンの作用が変化したことは、ボイたちに次のように告げたのである。つまり、彼らボイの自然な性的パートナーは、ボイたちが切願する貫通による快楽を提供できる能力の持つ者であると。オマール・ベルが計画したことであるのは確かであるが、その計画通り、ボイたちは、伝統的に女性が担うとされた性的役割とほぼ同一の役割を引き受けたのだった。

当然、その欲望により、ボイたちは否応なく、彼らの自然な性的相手を引きつけるにはどうしたらよいかを考えるようになった。一般的に(ホモセクシュアルの人たちは別とすれば)、男性は他の男性に(あるいは、男性のように振舞う人に)惹かれることはない。それゆえ、ボイたちは女性のような服を着、女性のように振舞い始めた。長い髪、女性的体形を強調する服装、化粧などなど。それらはボイの普通な身支度姿となった。

これらすべて、セックスのなせる業である。


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「マーカス、どうしてあなたの車を洗うためだけなのに、あたしにこんな服装になれって言ったのか、理解できないわ」

「いや、着たくなかったら、着なくたっていいんだよ、トニー。他の服をびしょ濡れにしたくなかったからなんだろ?」

「うん、たぶん、そう。でも、パパがこんな姿のあたしを見たら……だって、パパったら、あたしが髪を今のようにした時もカンカンに怒ってたの。 男はピッグテイルなんかすべきじゃないって言って。自分の息子が、オカマみたいな格好でうろつきまわるのは許さんって言ってたわ」

「でも、君はどう思うんだい?」

「あたし? あたしは別に…。髪の毛はこういうふうにするのが好きなだけよ。パパも、他のボイたちのようにあたしにも髪の毛を伸ばさせてくれたらいいのにって思うわ。だって、あたし、もう18なのよ? 自分がしたいことはしていいはずだわ。あたしが、ドレスを着て、ハイヒールやスカートを履きたいって思ったら、そうしていいはずだと思わない?」

「君はもう大人だもんな。したいことは何でもできるはずだぜ」

「そうよね。あたしが男とデートしたいと思っても、パパはそうすべきじゃないって言うの。そういうパパは何なのよって思うわ。っていうか、一度、パパがアレをやってるところを見たの。アレって、アレよ……分かるでしょう? ネットで知り合った男とヤッテたの。だから、もしあたしがやりたいと思ったら、どうしてやっちゃいけないのかって思うの。全然、フェアじゃないわ」

「ヤリたいのか?」

「ええ? 男とすること? どうかなあ……友達のカールがね、一度やったんだって。それで……すごく良かったって。だから……多分、いい相手が見つかったら……」

「俺のような?」

「あなた? で、でも、あたしたち友達でしょ……だけど、んー……い、いいわ……」


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あの子たち、絶対見ちゃいけないはずなのに。春休みで出かけてて、あと3日は帰ってこないはずなのに。お天気のバカ。4月も半ばなのに、こんなに寒くて雨が降るなんて。あたしでも、家に帰ってきちゃうわ。寒いのにビーチにいてもどうしようもないものね。

丸1週間、この家は全部あたしが使えると思っていた。それに、あたしも、あの論争が何についてか好奇心があったのだと思う。友だちも、大半、すでに経験してたから、恥ずかしいことにはならないと。まあ……ちょっとは恥ずかしいかな。つい3年前までは、あたしも普通のヘテロセクシュアルな男だった。男とセックスするなんて、自分がするとは絶対に思っていなかった。分かるでしょう? でもその時、オマール・ベル・ウイルスが放出されて、すべてが変わってしまった。

最初は、みんな、これは一時的なものだと思っていたし、そういうふうに振舞っていた。あの頃、だぶだぶになってしまったスーツを着て、見るからにマッチョな男みたいに振舞おうとしてたけど、今から思えば、信じられないほどバカっぽく見えていたに違いないわ。それに、あたしも、性欲に負けて男たちとセックスをし始めたボイたちをこっぴどく批判したけど、その時のあたしってバカなこと言ってるように聞こえていたと思う。でも、分かると思うけど、変化っていうのは受け入れるのが難しいものなのよ。人事課があたしの似合わないスーツについて「話し合い」をするまで、ずっと変わらぬ服装をしてたのもバカだったわ。人事課の人に言われたっけ。あたしは会社の悪いイメージを出しているって。思うに、あの頃ね。あたしがこの事態はもはや元通りにはならないと受け入れ始めたのは。

でも、それでも……たとえ服装を変えたとしても、あたしは自分の衝動に抵抗していた。本物の男に対する欲望がどんどん熱く燃えてきてたのに、それに屈服してしまいたいという衝動に抵抗していた。それも、子供たちのため。子供たちに、悪い見本を示したくなかった。

さっきも言ったけど、本当に子供たちに見せてしまうつもりはなかった。でも、こんな格好になっていたあたし。裸同然で、本物の男にソング・パンティを履いたお尻を揉まれていた。そこに子供たちが入ってきてしまった。子供たちが素早くドアを閉めて、向こうからクスクス笑い声が聞こえてきた時、あたしは、おどおどした笑顔になっていたけど、他に何ができたと言うの?


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「パパは、しちゃダメだって言ってたわ……わかるでしょ、これをしちゃダメだって。もし、しちゃったら、治療法が出てきたとき、後戻りできなくなってしまうからって」

「おーい、そんなこと言うなよ。そんなの馬鹿げてるよ、ボビー。戻りたかったら、いつでも戻れるさ。ウイルスが放出された2年前に君が変わったのと同じように、簡単に」

「で、でも……」

「それに、君もヤリたいって言ってただろ?」

「ええ、でも……」

「別に無理強いはしないよ。俺はそういうタイプじゃないのは分かってるだろう? 俺が『英語101』の授業で書いたエッセーを読んだよね。俺はベルがやったことに反対してるのは知ってるはずだ。それに俺は、社会がボイたちを、ボイたちが望まないライフスタイルに無理やり押し込めるべきだなんて思っていない。君たちボイは、自分が望む人生を生きることができるようになっているべきなんだ。他の人がそうすべきだって言うのに従わなくていいんだよ」

「あたし……一度だけね。いい? いつもするとかそういうのはナシね? それに治療法がてできたら、あたしはそれを受けるつもり。ただ、今は、何と言うか……」

「分かってるよ。じゃあ、その可愛い口を開いてみるのはどうだ?」


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治療法は、あたしが抱えるすべての問題に対する魔法のような解決方法。そのように思える。こんな感じで。例えば、新しく沸き起こってくる欲望を押さえこむことができないことは、どう? 治療法があれば治る。自分の身体に対する不安感は? 治療法が開発されたら、それについて思い悩む必要はなくなる。お金の問題は? あたしが男に戻ったら、人々はあたしのことをもっと真剣に扱ってくれるだろう。そういうリストはいくらでも挙げられる。でも、それは、はかない夢だ。今はそれが分かる。

正直言って、あたしは治療法を受けるのが怖い。気持ちが行ったり来たりと揺れてるのは、その治療法があたしの身体にとってキツイのではないかと思うから。それに、誰も、長期的な影響がどうなるかは分かっていない。癌や心臓病のような病気にかかりやすくなると言う人もいれば、そんなことはないと笑い飛ばす人もいる。でも誰もが一致した意見になることがあって、それは、誰も確実に知ってる人がいないということ。

実際、おかしな話。誰も、オマール・ベル・ウイルスの良い部分について話そうとしない(実際にはウイルスじゃないのだけど、そんな名前を思いついた)。確かに、あのウイルスで人生がぼろぼろになった人がたくさんいるし、この世界を変えてしまった。でも、その一方で、医者たちが最近、あのウイルスが影響を受けた人の寿命を長くさせることを発見したらしい。再生細胞とか何とか言っていた(それだから、ボイたちが実年齢よりずっと若く見えるらしい)。あたしは、自分がそれを手放したいと思ってるのか確信できてない。たとえ、そうすることで、昔の自分に戻ることができるとなっても、どうしようか迷っている。

でも、最終的には、あたしは治療を受けた。ちょっと皮肉だけどね。あたしは、正しい選択をしようと、ずっと考え抜いてきたけど、いざ治療を受けると決めた時には、ほとんど時間がかからなかった。確かに、5センチくらい身長が伸びてきた。でも、それ以外には、身体は変わっていない。ひょっとすると、このままで変わらないかもしれない……。

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どうしても我慢できない。抵抗しようとはした。何も変わらなかったように人生を生きようとした。でも、うまくいかない。いつも、戻ってきてしまう。1年? 2年? どれだけ長く、本物の男のように生きようとしてるかなんて関係ない。あたしは今のあたしを否定できない。

スーツを着ている。髪を短く刈っている。6年前になるグレート・チェンジの前にそうしていたように、大股で歩いている。当時、あたしは、この都市で最も有望で、出世街道まっしぐらの若手弁護士だった(しかも、まだ25歳の)。でも…まあ、グレート・チェンジの時に、あたしもちょっと精神的に問題を抱えてしまった。自分を適応させることにトラブルを抱えた男たちがたくさんいたし、あたしも例外ではなかった。クライアントとセックスをしてるところを見つかり、あたしは仕事(とライセンス)を失った。でもね、それって、あたしの責任じゃないの。医者たちがみんな言ってる通り、最初、変化を始めた時、あたしたちボイのリビドーはオーバードライブ状態になったの。どうしても我慢できなくなるのよ。そして、あたしの本能の方が勝ってしまったと。

次の1年は、何が何だか分からない状態だった。自分が行ったことで何一つ自慢できることはないけど、おカネだけはあった。それに、まあ、あの過剰に活性化してたリビドーも消えてなかったし。でも、その頃のことは飛ばそう。会社があたしを仕事に戻してくれた時へと進むことにしよう。

ライセンスを剥奪されていたので、もはや法律関係はできなかった。会社はそこまでやってくれる気はなかった。でも、その代わり、国選弁護人の事務所で弁護士補助の仕事を紹介してくれた。給与は良いと思う。それに、あたしは仕事ができる。資格的には充分すぎるあたしだったし、仕事は有能だ。

でも、あの衝動は変わらず生じ続けている。また、見つかってしまうのも時間の問題だと分かっている。だけど、やめられない。男を見ると、いつも、ムラムラしてしまう。それに、男たちの方も、みんな、大喜びであたしの欲求を満たしてくれるし……職を失ってもどうだっていうの。あたしたちが罰から解放させてあげた男たちは、あたしが解放してあげる(言ってる意味が分かればの話しだけど)。じゃあ、罰から解放させてあげなかった男たちには? まあ、夫婦面会という手がいつでもあるのよ。分かるわね?


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10年が経ち、新しい世代が成長してきた。これは重要なことである。というのも、これらのボイは、今の世界と違う世界をまったく知らないからだ。確かに、かつての世界をぼんやりと覚えている者はいる。それに古い映画を見たり、古い写真を見たりすることもあるだろう。両親や祖父母から、白人の少年が白人の男性に成長した時代の話しを聞くこともあるだろう。だが、新しい世代のボイたちにとっては、それはファンタジーにすぎないのである。

確かに、白人男性は存在する。治療法は、かろうじて、わずかながらも効果を発揮している。だが、彼らは小さなマイノリティであり、多くの場合、差別や性的迫害の対象となっている。白人男性の仕事はわずかであり、大半は、有意味な人間関係を築くのにトラブルを抱えている。どうして、そのような人生を選択するのか理解するのは難しいが、それを選ぶ人はいるのである。そして、私たちは、そういう彼らにも人生においてフェアな機会を提供しようと頑張っているところだ。

非常にワクワクする時代になっている。これから2年ほどの間に、私たちは、白人の両親から生まれる子供たちが、かつてのように男性に成長するか、思春期に達した時に女性的なボイの仲間になっていくかを知ることになるだろう。それは、この社会の未来の方向を決定することになるだろう。


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「どうかしら?」

「すごいよ! 本当に素晴らしいよ、フランキー」

「そう思う? おバカっぽく見えない?」

「もちろんだよ。おバカだなんて全然。君は……君は最高だよ。そうなるって前から言っただろう? 今なら、私の言うことを信じるね?」

「ど、どうかなあ。どんなだったか、よく覚えていないの。覚えてはいるけど、ちょっと、ぼんやりしていて。あれが起きた時、まだ10歳だったし、それに、あたしは思春期になるまで、実際変わらなかったから。でも、まあ、その後のことは知ってるでしょう? でも、ママの振舞いとか、ママがあたしの着るものを決めたとか、いろいろあったから、あたしは、自分でない何かになろうと8年間丸まるもがいていたような感じ。そういのって意味がある? ていうか、去年、ママが髪の毛を伸ばしてもいいって言ってくれて、ビックリしてるの」

「その髪の毛、素敵だね」

「ありがとう。他のボイたちが可愛い服を着て、男の子とデートに出かけるのをずっと見続けてきたわ……ロッカールームで回りを見渡すと、他のボイたちがみんな可愛いパンティを履いているのに、自分だけトランクスを履いているってどんな気持ちになるか、想像できないでしょうね。ホント、ひどかった」

「でも、もうこれ以上、心配しなくていいんだよ。君は18歳だ。君のお母さんは家にいるけど、君はここに来ている。もう、お母さんは君にあれこれ指図はできないよ。君は、とうとう、ずっと前からそうなるべき、れっきとしたボイになっていいんだよ。」


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あたしたちが新しい役割をこれほど全面的に受け入れたのはなぜなのか、それについての様々な理論は耳にしてきた。グレート・チェンジから10年近く経過し、治療法も簡単に手に入るようになったにもかかわらず、それでも、あたしたちの大半は、男性に戻るのを見合わせている。あたしたちはずっと前からこうなる運命にあったように思え、ベル博士は、長い間、眠っていた遺伝子を活性化しただけにすぎないのではないかとも思える。

確かにセックスの面があるのは明らか。あたしたちは皆、何をしたいか、何を求めているかを知っている。結局のところ、あたしたちは男性に性的に惹きつけられるように身体が設計されているのだ。その大部分はフェロモンによるのだけれど、性的快楽に結びついた部分が大きい。男としてセックスすることと、ボイとしてセックスすることは、比較にならない(もちろん後者の方がはるかに快感の度合いが高い)。だが、そのこと自体では、大半のボイがセックス相手にフェラチオをするのを心から喜ぶ事実が説明できない。少数とは言えない数のボイたちが、フェラをすることがアナルにセックスされるのと、ほぼ、同じくらい気持ち良いと言うのを聞いてきた。あたしの場合は……まあ、嫌いじゃないとだけ言っておこう。その味や、口に含んだ時の感触や、舌触り……それは非常にエロティックで、そのことを思っただけで、アナルがびちゃびちゃに濡れてくる。

あたしには分からない。ただ、あたしたちはずっと前からこういう存在になるようにできていたのではないかと思っている。オマール・ベル・ウイルスの有無にかかわらず。


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「ほんとに、これ、バカっぽく見えてない? 何て言うか、ママがあたしがこんな格好になっているのを見たら、気が狂っちゃうと思うから」

「バカっぽい? お兄ちゃんとして言わせてもらえば、全然、そんなふうには見えないわ。あなたは美しいの。ジャマールも、そのパンティを履いたあなたを絶対に気に入ると思うわ」

「アレって、痛いの? 保健の授業では、痛いこともあるって言っていたけど。ボイが初めてアレをするときのことね。それに、彼のあれってとても大きいから。あんまり大きくて、全部を口に入れることもできなかったわ」

「2年前に初めてしたとき、確かに痛かったわ。あたしは19歳だった。だから、今のあなたより何ヶ月か年上だったわね。それにとても怖かった。当時は今とは違っていたから。治療法もなかったし、それに、そういうことについて、まだ偏見が残っていたから。ボイが男と付き合うのは認められていたけど、でも……よくわからないけど、今とは違ってたの。当時は、人々は、何も変わらなかったかのように生活しようとしていたのよ。分かるでしょ?……ママが思ってるような生き方」

「その人の名前は?」

「ディボン。彼とは親友で、一緒に大きくなったの。グレート・チェンジの前、彼と野球やフットボールをして遊んでいたのを覚えているわ。でも、ふたりが思春期を迎えると、すべてが変わった。彼はどんどん大きく、強くなっていって、あたしも、別の面で、成長していった。どの男たちもあたしを求めたけど、あたしはディボンだけが欲しかった。そうして彼と結ばれたの」

「その後どうなったの?」

「彼はフットボールの奨学金を獲得して、国の反対側の大学に行ってしまった。2年くらい前。彼とは音信不通。でも、あたしは今でもあの時のことを思い出すの。でも、あたしのことはそれくらいで充分。あなた、本当にアレをしてみたいの? 本気で、初めての相手をジャマールにと決めてるの?」

「あたしと彼、アレ以外はほとんどすべて、もうしているの。それに……あたし彼のことを愛してるし。ええ、やってみたいと思ってるわ」


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彼らは変化に非常にうまく適応してきた。我々も、その適応を推進すべく非常に多くのことを行ってきた。そして、それらはうまく作用しているように思われる。それらは悪事と言えるし、道義的に良くないことではあるが、何より、絶対に必要なことでもあったのだ。最初、グレート・チェンジが発生した時、社会不安がひっ迫していた。住民は、極度のパニックに陥る瀬戸際になっていた。メキシコで暴動が発生した時、我々は何かしなければならないと思った。何と言っても、メキシコの場合、ラテン系男性のごく一部が影響を受けただけだったのだ。にもかかわらず暴動が起きた。合衆国の場合は、はるかに多くの住民が影響を受け、ボイになっていたのである。

計画を案出するのはそれほど困難ではなかった。すぐに治療法が見つかることはないのは知っていた。そのため、我々は、住民に変化を受け入れるよう促す他、手立てはなかった。だが、どうやって? 大群の男性たちに、どうやって、ジェンダーの役割や、体形や、性的ライフスタイルにおける突然の変化を受け入れるよう、説得したらよいのだろうか?

我々は、まず手始めに、人気の衣料メーカーに新しい生産を始めるよう、補助金を出した。新しく変化したボイたちを市場ターゲットにするよう促したのである。最初、衣料メーカーは、紳士服とほぼ同じではあるが、新しいボイたちの身体に合うようにしつらえた衣類を作った。だが、その最初の1年のうちに徐々に、そのスタイルは次第に女性的なものに変わっていき、最後には、婦人服とほぼ区別がつかないような衣類になった。もちろん、レーベルは異なっていた。メーカーは、これは婦人服とは違うという幻想を与える必要があったから。

その後、我々は、新しいライフスタイルを選んだと「カミングアウト」した有名人や元スポーツ選手たちに、宣伝を行うよう促した。有名人の黒人男性と白人ボイを選び、肉体的交際があるとでっち上げをしたこともわずかにある。もちろん、その目的は、変化を恒久的なものとして受け入れることを社会的に認めさせることであった。変化をコントロールすることに関して、ハリウッドは当初から素晴らしい道具として機能してきている。

社会の思惑が変化した後、最後に我々は法的措置を導入した。男性と白人ボイが結婚することを合法的とする措置である。加えて、ボイの新しい立場を反映させるため、学校や公的な場所におけるトイレについての規制を変更した。施設的に考えて、トイレ等はボイたちにとって悪夢の場所となっており、たいていの場合、彼らは女性用の施設を使用せざるを得ない状態になっていたからである。

そのような手はずを行っている間も、変化を受け入れようとしない人々も存在していた。彼らに対しては、治療法を提供した。実際には、現在の治療法は必ず成功するというわけではない(おおよそ30%の成功率である)。だが、それを提供することにより、彼らに自分の意思で選択したのだという幻想を与えることができる。そして、その幻想こそが、国民をコントロールするものであるからだ。治療法とはそういうものだと思っている……。


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それは富と権力の印。つまり、他の多くの人々が手にすることができないものを手にすること。それこそが興奮をそそるものだと思う。そして、それに加えて、あたしが2本の大きな黒ペニスを自分だけのものにしているという事実も興奮をそそる。1本は口に頬張り、もう1本で後ろから突かれる……それを考えただけでアナルが濡れてくる。

売春は永遠になくならない。売春がもっとも古い職業と言われているのも理由がないわけではない。だけど、グレート・チェンジの前は、その仕事は大きく見て女性に限られていた。確かに、セックスをしておカネをもらっていた男性はいたが、それはまれだった。だが、オマール・ベル・ウイルスは、性に関わる人口編成を変えることにより、それを変えたのである。

実際、その理屈は単純。男性の数に比べて、女性とボイの数がはるかに多くなったということ。人口が増えれば、それに応じて富裕層も増え、それゆえ、男性の相手に対して多額のおカネを払う裕福な女性やボイがたくさん増えたということ。もっと裕福な者たちは支払う男の相手を複数にすることもできる。あたしのようなボイにとって、それに勝る楽しみはない。


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「本当に、誰もあたしたちに対して何も言わないかしら? ティム」

「誰も何もしないわよ、ケイシー。もう、あれは終わりなんだから。あたしたちボイは、もうビーチでトップをつける必要がなくなったんだから。あの新しい法律が通ってからはね。あなた活動家でしょ? どうなの?」

「ま、まあ、活動家だけど……でも、とても露出している感じ。みんなに乳首を見つめられてる感じがするわ」

「見せてやればいいのよ。連中が見つめれば見つめるほど、あたしたちが女じゃないことが分かるわけだし。あたしたちにはおっぱいがないの。だからトップレスでいても全然、わいせつじゃないのよ。あたしたちにトップをつけるように強いたあの古い法律は、ひどく、性差別主義的な法律だったの。みんなはただそれを受け入れていただけ。あたしは……」

「演説はもうそれくらいにして、いいわね? あたしは、ちゃんとトップレスでいくつもり。ただね……それにはちょっと慣れる必要がありそうって、それだけなんだから」


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あなたはこれに慣れる必要があるわ。あたしを見て。本気で見て。あなたが何年も目を背けてきてるでしょ。それにあたしもあなたも無視しようとしてきた。でも、これは消えてなくなるわけじゃないの。本気でこれについて話し合わなかったけれど、わたしもあなたも、治療ができるようになったら、何もかも普通の状態に戻ると想定していた。でも、実際にとうとう治療法が出てきて、それを受けたわけだけど、この通り、うまくいかなかったのよ。

そんなわけであなたがこの1年ずっと落ち込んでいたのは知っている。いや違うわね。グレート・チェンジが起きてからのこの10年ずっと、このせいであなたが落ち込んでいたのは知っている。見て、あたしは30歳。あなたは29歳。あたしは昔のようになりたいと思ったけど、でも、どう見てもあたしは高校を出たてのような姿だわ。あなたを幸せにしたいとホントに心からそう思っていたけど、そうはならないと日に日に明らかになって来たのよ。

いろんなことを試したわよね? ストラップオンとかディルドとか3Pとか。どれもうまくいかなかった。あたしはあなたのことをすごく愛しているし、あなたもあたしのことをすごく愛しているのは分かっているけど、こんなことを続けていても改善しないと思う。ふたりとも性的フラストレーションが溜まりに溜まっていて、もうどうしようもなくなってるのは明白だわ。ふたりとも、こんな気持ちになっていることに罪悪感を感じているのは分かるけど、でも、何も変わりそうにないのよ。あたしたちは元のように戻ることはないの。それを言うのは辛いけど、でも、真実なの。言わなくちゃいけないことなの。

なので、あたしが言おうとしていることはと言うと、もう離婚すべきじゃないかってことだと思うわ。あなたの最初の反応は、たぶん、反対ってことになるか、あたしに気持ちを変えてと懇願するかだとおもうけど、でも、あなたの顔を見れば分かる。本当は、それに同意してるって。あたしと同じくらい、あなたも離婚を求めているはず。もちろんあなたを愛しているわ。本当に。ただ、あなたとは愛しあう関係にはならなくなったということだけ。あたしたち、今は前とは違う人間になったのよ。

(おわり)


[2016/03/22] オマール・ベルの世界2 | トラックバック(-) | CM(0)

ボイズ・ゴーン・ワイルド(キャプション) 

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ボイズ・ゴーン・ワイルド

01
毎週、俺たちは、この雑誌に掲載希望のボイから何百も投稿を受けている。この中から振るい分けし、ベスト中のベストを送るという仕事をしているわけだ(すげえ困難な仕事なんだぜ)。というわけで、これ以上、言葉はいらないな。さあ、お送りしよう。今週の、ボイズ・ゴーン・ワイルドだ!

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02
グラント・スミス
身長:155センチ
体重:49キロ

グラントはアイビー・リーグの超有名大学の法学部学生。ACLUに就職し、不正と戦う仕事をする計画を持っている。

彼は、俺たちのブリーフの中にあるものなら、いつでも研究していいと言ってるぜ!

「時々、髪を降ろして、裸になって、楽しみたくなってどうしようもなくなる時ってあるわよね!」

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02
左:
ジョッシュ
身長:160センチ
体重:48キロ

ジョッシュは、写真を専門とする学生。卒論のテーマを、大半の写真で、普通、対象にされるようなモデルではなく、現実のボイたちを撮影することにより、ステレオタイプ化されているものをあぶり出すことを焦点にしている。彼が撮影する現実のボイが、彼と同じくらい可愛いなら、写真は大人気になるな!

中央:
フランク
身長:162センチ
体重:50キロ

フランクはダンサー。実のところ、彼はグレート・チェンジ以前からダンサーだった。だが、彼が大好きなダンスで本当の意味で評価をされるようになったのは、チェンジの後になってからだった。みんな、気をつけろよ! フランクの身体の柔軟性は並外れてるぜ!

右:
アンディ
身長:152センチ
体重:46キロ

アンディは社会学の学生で、グレート・チェンジの長期にわたる影響を研究する夢を持っている。頭脳が優れて、同時に引き締まった可愛いカラダ……そそられないわけがねえな?

「私たち、ちょっと楽しみたいだけ。それがなかったら、何の意味があるの?」

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04
ピート・ヤング
身長:160センチ
体重:51キロ

ピートは、フーターズ(参考)でウェイトレスとして雇われるようになった多くのボイたちの中でも、最初のひとりだ。だが、彼は大学に戻り、すぐに学位を取る計画でいる。誰でも夢は必要だよな?

「男の人は、もっと真面目にあたしと付き合ってくれたらいいのに。て言うか、あたし、可愛い顔をしてるだけじゃないんですよ」

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05
匿名
身長:167センチ*
体重:53キロ*

この写真は、俺たちが、自尊心に欠けた若くウブなボイたちにつけこんでると言う痛烈な手紙に添えて送られてきたものだ。その手紙は、続けて、この写真に名前がついていないのは、背が高く、彫像のようなボイの美しい身体を見せることにより、現在の理想的なボイとされている(小柄で可愛いとする)見方をバカにするためであると述べている。まあ、どうでもいいな、俺たちには。俺たち、そんな細かいことは気にしねえよ。

「お前たちが、ボイたちの姿について、非現実的な描き方をしてるせいで、お前たちが想像できないほど、我々の文化はダメージを与えられてしまってるのだよ」

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06
トニー、ジーン、アレックス、そしてジョーイ。みんなXXX大学のチアリーダだ。彼らの手紙によると、この写真は、特にワイルドになった春休みのパーティで撮られたものらしい。俺たちの予想としては、近い将来、この大学への入学希望者が急増するんじゃないか。特に男子の希望者が! ほんと、ラ・ラ・ラ・シス・ブーン・バー(参考)だね!

「XXXワイルドキャッツ、行けーッ!」


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07
リオ・アービン
身長:152センチ
体重:50キロ
リオは体操の選手で、非常に有望な選手だ。2016年のオリンピックの有望株として、毎日、厳しいトレーニングをして過ごしてる。だが、彼も時々ハメを外して、ちょっと楽しみたくなるらしい。

オリンピックになったら、もっと彼を見たいと思ってる俺たちがここにいるぜ。

「時々、欲求不満が高まっちゃってね。ボクの生活は、何もかもがすでに計画されているんだ。気ままに運に任せられることが何もないんだ。まあ、これはボクのちょっとした反乱のようなもの。分からないけどね。でも、気持ちいいんだ」

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08
左:ビリー・ウォレス
身長:160センチ
体重:49キロ

右:パーシー・スミス
身長:157センチ
体重:46キロ

パーシーとビリーは小学校の時から親友だ。ふたりは、グレート・チェンジが起きてすぐ後からずっと恋人同士だ。

俺たちがふたりとイイ仲になることはないかもしれないが、だからと言って、俺たちがこの可愛いレスビアン・ボイのことを思って妄想をしちゃいけないということにはならないよな!

「あたしたち、ずっと前から親密だったけど、変化が起きた時、何かスイッチが入ったの。今は、他の人と一緒になるなんて想像できないわ」

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09
左:スティーブ・クラーク
身長:155センチ
体重:46キロ

右:ハンター・ジョンソン
身長:160センチ
体重:47キロ

この可愛いふたりのボイは中西部出身だが、2年近くペルーで暮らしている。「なんでだ?」って訊きたいだろう。答えはと言うと、スティーブとハンターはあるプログラムに参加しているのだよ。第3世界の国々で生活しつつ、専門知識を実践する医学生のボランティア活動のプログラムだ(そう、このふたり、医者になるんだぜ!)。頭はいいし、気持ちも優しいし、しかももちろん、この通りの美人だ。このふたり、誰でもヤリたいって思いたくなる、ほぼ完璧なボイと言えるよな。

「人類みなあたしたちの仲間よ。その人たちに手を貸してあげる責任があるとあたしたちは思っているの」


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10
リッキー・デイビス
身長:162センチ
体重50キロ

リッキーは、自称ビーチ・バムのサーファーだ(ビーチバムというのは、いつも裸で海辺をうろついて遊んでる野郎のことな)。彼は去年、学校を中退し、オーストラリアに引っ越した(見ての通り、オーストラリアでは、ボイは公衆の場でもトップレスでいられるんだ)。

オーストラリアまでの飛行機代っていくらだっけ?

「サーフィンはボクにとってはただの趣味以上のもの。ボクの生き方であり、哲学であり……よく分かんないけど。ともかく、ボクが言ってることは、ボクには大事なことなんだよ」

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11
ケイシー・ローズ
身長:157センチ
体重:51キロ

ケイシーは、この『ボイズ・ゴーン・ワイルド』では特別なケースだな。彼は一種の冗談としてこの写真を送ってきた。手紙には、「あたしはあまり可愛くないから、掲載されるなんて思っていないけど」って書いてあった。あのね、ケイシー、俺たちに言わせてみれば、君はとてもカワイイよ!

「こういうのに乗せるボイたちって、みんなとても可愛いわ。予選通過だけでもできたらって思ってるの(現実的には、そんな期待はできないんだろうけど)。

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12
そして最後に登場は、このトロイだ。最後だからって最低じゃないぜ。トロイはうちのインターン。寛大にも今週号に登場すると言ってくれた。身長とか体重を掲載して彼に恥ずかしい思いをさせたりはしない。まさにぴったりの身体のサイズだと言えば充分だろう。みんなも頷いてくれると確信してるぜ。

「これ、インターネットに載せたりしないでしょ?」

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[2016/03/18] ボイズ・ゴーン・ワイルド(キャプション) | トラックバック(-) | CM(0)

クラス会の後で(キャプション) 

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クラス会の後で

01
「お前が変わったのは、どう見てもはっきりしているぜ。事実上、お前、今は女じゃん!」

「ボクはお前と同じく男だよ! ベル博士のウイルスとかニュースで言ってるけど、ボクは気にしない」

「そうか? つか、自分を見てみろよ。何なんだって? 45キロくらいか? 運が良ければ、まだ155センチくらいはあるか?」

「まあ、確かにちょっと小さくなったけど……でも、そんなの何の意味もないよ。ボクは前と同じ男なんだ」

「だから、本当かって。まあ、俺が間違ってるかもしれないが……だったら、男だって証明してもらおうか。その服を脱いだらどんな格好をしているか見せてもらおうじゃん。だって服を着てると、分からねえからな……あそこにちゃんと男の証拠がついてるか見えねえし」

「ふ、服を脱ぐの? お前の前で? どうしよう……」


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2
「問題ねえだろ? 普通の男だって言うならだが。お前の身体なんて俺が見たことないところはねえんだから。な?」

「いや、……そうじゃなくって、ただ……まあいいや、分からない。ああ、いやっ。なんか、ジムとかで男たちの前で服を脱いだことがないみたいな感じ……」

「お前、パンティを履いてるのか? なるほど、男らしいぜ」

「あのねえ、ボクは自分の服が合わなくなってるんで、彼女の古い服を着てるだけなんだよ。買い物に行く時間がなかったんだ!」

「男なのに、男の服が合わないって? おかしいぜ、そんなの。その女っぽい身体なら合わなくて当然だ。俺に言わせりゃ、そのパンティ、すごく合ってるように見えるぜ」

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3
「ほら。ボクはちゃんと男だよ! ちょっと待って。何を笑ってるの?」

「すげえちっちゃいんだな! それにお前の身体……男の身体とは全然違うのは確かだぜ」

「どういうことよ? 確かに大きくはないけど、ちっちゃくはないよ! それに、身体の線もちょっと変わったけど、でも……」

「バカだな……自分が知らないだけじゃねえの?」


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4
「ちょっと待って。なんで、そんな目で見てるの?」

「おい、もう、自分は男だって思ってるようなフリはやめろよ。て言うか、お前、目が見えないのか? お前、自分で鏡を見て知ってるはずだぜ」

「ぼ、ボクは……あのウイルスとかのせいだけだよ。中のボクは変わっていないよ。前と同じ男なんだ。ただ、身体がちょっと変わってしまっただけ」

「じゃあ、こっちに来いよ。お前に本物の男のちんぽがどんなものか、見せてやるからよ」

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5
「あ、すごい。すごく大きい!」

「これが本物の男のちんぽだ。お前のちっちゃいアレとは違うだろ。お前、触ってみたいだろ? ほら?」

「え、ええ……」

「ほら、いいぜ。ボイが可愛い手でちんぽを握りたいと思うのは自然なことなんだ。口に咥えるのは、もっと自然なことなんだぜ」


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6
「むむんん……」

「どうだ? これが正しいって感じがするだろう? お前、大きな黒ちんぽを咥えるのが好きなんだ。そうだろ? お前が何と言おうとも、俺には分かる。お前はもはや自分を男とは思っていない。ボイと思ってるんだ。分かるぜ」

「むんんん……んんん……」

「返事はしなくていいぜ。そのまま続けてろ。お前はちんぽをしゃぶるようにできてるのは分かってるんだから。自分でも分かってるんだろ。お前はボイなんだって」

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7
「(ハアッと息をついて)この感じって……」

「分かるぜ。お前はボイだ。ボイは男と一緒になるようにできている。確かにちんぽしゃぶりもその一部だが、お前はちんぽをしゃぶること自体が嬉しいんじゃない。……お前は、新しい自分を受け入れてることが嬉しいんだ。とうとう自由になったんだぜ」

「こ、今度は何を?」

「さあ、尻を出して前のめりになれ。ボイはどういうふうにセックスするか俺が教えてやる」

[2016/03/18] クラス会の後で(キャプション) | トラックバック(-) | CM(0)

オマール・ベルの世界:想い(キャプション) 

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想い

01
トミーの想い
ダレンがあたしを欲しがっているのは知っている。それにあたしも彼を欲しいと思ってることを彼は知っている。でも、とてもややっこしいことになっている。ダレンはただの普通の男とは違うから。ダレンはあたしの親友だから。というか、グレート・チェンジの前までは、親友だったというべきかしら。ふたりは一緒に大きくなった。子供の頃、よく、ふたりで一緒に遊んだものだった。

そしていま、彼があたしに手を出している。あたしは嬉しい。あたしが嬉しいと思ってることを彼はあたしの表情で見えてるはず。あたしも彼の瞳に彼が考えていることが見えている。彼の触り方でもそれが感じ取れる。

何か言いたいんだけど、それができない。喉のところまで出てきてるのに声が出ない。あたしはどうしたらいいの?

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02
ダレンの想い

何か間違ってる気がしてる。何と言うか……
あいつは俺の親友なんだ。だが、俺の身体じゅうのすべてが、これは間違っていないと俺に言う。ボイは男と一緒になるものだってみんなが言っている。映画にもなってるし、テレビでもそう言ってる……

それにあいつは、昔のあいつのようには全然見えない。確かに、どこかにあいつっぽいところが見え隠れしてる。あの目かなと思う。化粧を取ったら、あいつと同じ目になると思う。

だが、俺たちは一緒にフットボールをしてきた仲だ。なのに、今は……あいつは、あのチアリーダのユニフォームを着ると、本当に自然に見えてしまう。俺たち、どうやって裏のここに来たんだっけ? それすら俺には分からなくなってる。

あいつ、上を脱ぎ始めた……。

この乳首……どう見たって、これは男の乳首とは違う。多分、あいつはこういうことを求めているんだと思う。初体験を俺にしてほしいと、そう思ってるんだと思う。


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03
トミーの想い

すごく大きい……あたしのよりずっと大きい。多分、グレート・チェンジの前でも、昔のあたしのアレの2倍はある。今は……ああ、今のアレで言ったら、全然、比べ物にならない。

フィットすればいいんだけど。指をあそこにいれたことはあるけど、でも……これってあたしの指より何倍も大きい。

痛いのかしら? 痛いかもと言う友だちもいれば、痛くなかったという友だちもいる。でも、これってあたしの腕くらいの大きさだもの!

ダレンがあたしのこと淫乱だって思わなければいいんだけど……ちょっと簡単に事を運びすぎてるのかしら? でもダレンが欲しい。こうしても問題あるかなあ? ボイは、最初はちょっと淫乱っぽく振舞うものだってみんな知ってるし。ボイは新しいセクシュアリティに自分を馴化するためにそうするんだって、みんな言ってたなあ。

そうよ。それだ! あたしは馴化しているところなのよ! それにしても、これ、すごく大きい!


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04
ダレンの想い

とても非現実的だ。

ここにいるのは、高校を出たばかりのセクシーな19歳のボイ。俺がこれをしたい気持ちになってるのは分かってる。俺の身体が求めている。俺の心も求めている。

だが、そのボイがかつては俺の大親友だったことも知っているんだ。たった1年前、俺たちは同じ高校で、フットボール部のチームメイトだった。それが今は……トミーは大学のチアリーダになっている。チアリーダだぜ!

トミーは俺のちんぽを手で握った。細い手だなあ。身体も小さくなっている。体重は45キロもないんじゃないか? だが、変わったのは体つきだけじゃねえ。俺には分かる。

俺のちんぽを見る時のこの飢えた目つき……みんなが言ってることは多分正しいんだな。ボイというのは男が欲しくなるようにできているんだって。ちんぽが欲しくなるように身体ができてるんだって。


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05
トミーの想い

本当にこうなってるのが信じられない。あたしの唇が、こんな大きな黒いおちんちんを咥えてるなんて信じられない。でも、もっと信じられないのは、そのおちんちんがダレンのおちんちんだということ。

手も使うべきなのかな? 吸うだけでいいのかな? 舌はどのくらい動かすべきなのかな?

今してることについて、もっと知りたい。

ちょっと待って……それって、あたしはもっとおちんちんをたくさんしゃぶりたいということ? それとも、ただ、これが上手になりたいということだけ? あたしのようなのを何て言うんだっけ? 自分が男ではないのは分かってる。でも、男である気持ちがどこかに残ってるような気持ちもある。でも、あたしは今、おちんちんをしゃぶりながら、もっと上手にできたらいいのにって思ってる。

さらに加えて……あたしはこれが楽しいと思ってる。

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06
ダレンの想い

このキュートな可愛いアナルを見てみろよ。それにこのちっちゃなちんぽも。トミーは元々そんなに大きくないのは知っていたが。まあ俺に比べてだけどな。ステレオタイプというのも、案外、正しいところがあるようだ。黒人男は白人男よりちんぽがデカイと。

だけど、これは……。白人ボイの場合は、ほとんど何もついてないようなものだ。と言って、俺は別にそこには興味はない。俺が欲しいのは、このお尻の方だ。

みんな、女のあそこにヤルよりずっと気持ちいいと言ってる。俺には分からない。少なくとも、ボイを妊娠させることはできないことは言えるが。

こいつの尻の丸みが好きだ。女のような尻……いや、それよりいいかもしれない。

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07
トミーの想い

彼、喜んでいると思う。あたしは、これをして嬉しい。感じる。

こうしてる間にもあそこが濡れてきている。おちんちんも固くなってきてる。少なくとも、今のアレだけど固くはなってる。もう、ビンッと立ったりはしない。ちょっと大きくなって横になってるだけ。7センチくらいかな。

ダレンは、あたしがこれをしているところをずっと見続けている。顔を上げて、彼を見るべきなの? 視線を合わせるべきなの?

ダレンはとても大きい。おちんちんばかりでなく全部大きい。身体のすべてが今のあたしよりずっと大きい。昔はあたしも同じくらいの大きさだったのに。

でも今は……ダレンと一緒にいると、自分がこの人に服従すべき存在だって気持ちがしてくる。それって普通のことなのかな?

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08
ダレンの想い

うお、すごくキツイ。がんばれ。全部、喰らうんだ。根元まで。

俺は普通は相手が上になるのは好まない。普通は俺が主導権を握る……だが、今回は……こいつの時は違う。

トミーは最初、少し怖がっていたようだ。だが、その気持ちは消えて行った。すぐに。今は我を忘れて夢中になっている。あいつの目にちょっと苦痛の色が見えたが、それもすぐに消えて行った。

本当に、俺は親友とセックスしているんだなあ……

こんなことが起きるなんて思ったこともなかった。グレート・チェンジの後ですら、想像したこともなかった。

変な感じだ……

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09
トミーの想い

こんなに気持ちいいなんて。想像したよりずっと気持ちいい。指でするのも気持ちいいと思ったけど、でも本物のおちんちんと? 比べ物にならない。

いったんあたしの中から抜けたとき、ちょっと空虚になった感じがした。態勢を変えるとき、あたしのアナルは早く入れてって叫んでた。

ダレンはスタミナがある。彼についてそれははっきり言える。あたしが男だった時に比べても、ダレンの方がずっと長く持続できる。

ひょっとすると、そういうわけであたしたちが変えられたのかもしれない。そもそも、白人男は本物の男ではなかったからだと。ベルはあたしたちの精神にふさわしい身体をあたしたちにもたらしたのだと。

ああ、そこ、そこに入れてほしいの、ダレン!

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10
ダレンの想い

少なくとも、トミーがオーガズムに達したかどうか迷う必要はなかった。ああ、こいつ、声を出すタイプだったんだ。

それに、ワーオ! こいつ、いったい何回イッタら済むんだ? これまで3回は数えたが、まだ欲しがってる。

例のウイルスでも、こいつをそこまで変えることはできなかったはずだ。多分、トミーは元々、こんな感じだったんだろう。元々、ちんぽを入れてほしがっていたのかもな。いや、別に俺は咎めているわけでじゃない。本当に。俺は、この新しいトミーが好きだ。ただ、もし俺たちの立場が逆で、例のウイルスが黒人男だけに影響を与えたとしてても、俺ははっきり自信を持って言える。尻にちんぽを突っ込まれるのはごめんだと。

ひょっとすると、それが俺とトミーの人種の違いなのかもしれない。そもそもジェンダーが違っていたのかも。

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11
トミーの想い

出して。お口に欲しい。
顔にかけて。アナルの中にも注いで。
どうしてそう思うか分からない。でも、そうしてほしい。

これって、ちゃんと仕事をしたご褒美なの? それとも、あたしがボイであることを再確認する行為なの? これってトロフィ?

分からない。

でも彼に出して欲しい。味わいたい。

これってどういう意味なんだろう? あの人たちの言ってることは正しいと言うこと? ボイは男に抱かれるべき存在だと言うこと? そう感じる。

だって、何もかもとても……当然のように感じるんだもの。

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12
ダレンの想い

何かで読んだが、例のウイルスはボイのフェロモンの分泌方法とフェロモンへの反応の仕方を変えるらしい。その結果、ボイは男に惹かれるようになるし、逆に男もボイに惹かれるようになると。なるほどと思った。

それにボイのアナルが今はセックスをするためにできてることも充分理解できた。

だけど、トミーの口にスペルマを発射しながらこいつを見ていると、何かそれとは別のモノが見えるような気がする。トミーは本当に完璧に満足している。俺がこいつの口にスペルマを出すのを待ち望んでいるような顔をしているようなんだ。すでに何度もオーガズムを味わわせてやったが、それと同じくらい、俺が精液をぶっかけてやることが、こいつにとって快感の源になっているような、そんな顔をしている。

これはウイルスのせいであるはずがない。人の心までは変えなかったはずだ。これは元々のトミーだったんだ。

多分、ベルは何から何まで正しかったのだろう。トミーたちは、こういうふうにされて幸せなのかもしれない。


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トミーの思い

今は、抵抗するなんてバカげているとはっきり分かる。あたしはボイ。そしてボイは男に抱かれるべき。自分に何が起きたかは分からない……セックスしてる時、あんなふうに我を忘れてコントロールを失ったことはなかったから。初めての経験。

でも、それを言うなら、ボイとしてセックスしたのも初めてだった。ボイがセックスするといつもこういうふうになるのかしら? それとも、初体験だったからにすぎないの? そうじゃないといいけど。

誰かが2年前にあたしに、いつの日かあたしが顔面にスペルマを振りかけられて笑顔になってる日が来ると言ったら、あたしは、そんなの何かのマヌケな冗談だと笑い飛ばしていたと思う。でも今は……今は、他にどんな顔をするべきなのか、想像すらできない。


[2016/03/15] 想い(キャプション) | トラックバック(-) | CM(0)

オマール・ベルの世界:拒否(キャプション) 

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拒否

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01
「あの人たちみたいよ。心の準備はいい?」

「多分、これ以上ないほど」

玄関のベルが鳴るのを聞き、ジョーイは顔をあげ、強いてあいまいな笑顔を作った。このふたりは、ジョーイと彼の妻である。いや、正確には、彼女はもはやジョーイの妻ではない。政府はふたりの婚姻関係を無効にしていたし、ふたりは結婚しなおすことも許されていない。それにもかかわらず、ふたりのような境遇になった大半の夫婦たちとは異なり、ふたりは同居を続けた。

再び玄関のベルが鳴る。そしてその後に、ノックの音が続いた。しっかりとした強いノックの音。その音にジョーイは夢想状態から現実に戻される。彼はグラスに残っていたワインを一気に飲み干し、覚悟を決めて、これから起きるであろうことに向かって進み始めた。彼の妻はジョーイの手を握り、玄関へと彼を導いた。彼女の手は、今や彼の手よりずっと大きい。

ジョーイと彼の妻セレステにとって、この2年ほどの夫婦生活は困難に満ちたものだった。なんだかんだ言ってもセレステが結婚した相手は男性だったのだ。確かに今もセレステはジョーイを愛しているが、ジョーイは彼女が「タイプ」とする人ではなくなっていた。実際、セレステも、ジョーイがタイプとする人ではなくなっていた。それでもなお、多くのボイたち同様、ジョーイは、性的に男性に惹かれてしまうという自分の感情と格闘していた。そして、今までずっと、男性を完全に拒否し続けてきたのである。

髪の毛を長く伸ばすことは気にしなかったし、服装も……いわゆるボイっぽい服を着ることも気にしなかった。そういう容姿になるのは自然なことのように感じられたし、他の人たちも皆、そうしていたから。しかし、男性に性的に惹かれていることを認めることに関しては、一線を引いていた。何がしか彼の男性性が残っていて、それがどこか、それをさせることを禁じていたのだろう。

だが、それもセレステが本物のオトコに身体を触れられたくてうずうずしていると、彼に訴えた時までだった。愛する妻にそう言われたことは、あまりに……あまりに男性性の欠如を実感させることだったと言ってよい。確かに、ジョーイは、かつてのように妻を喜ばせることは自分にはできないことは知っていた。だが、どこかしら、彼はストラップオンや双頭ディルドで充分じゃないかと自分を納得させていたのである。しかし、心の中では、それらでは充分ではないことを知っていた。妻は最終的には本物の男性の逞しい腕を求めることになるだろうと分かっていた。それは避けられないことなのだ。

そう言うわけで、セレステが、ふたりで一緒にしましょうと提案した時、ジョーイは、半分、歓喜し、半分、憤慨した。確かにしてみたいと思ったが、男性としてのアイデンティティが拒否していた。しかし、彼の妻であり、生涯のパートナーであるセレステに対する愛情が勝ちを収め、ジョーイは同意したのだった。とは言え、まったくの素面の状態ではできないと感じていた。そこで、ふたりは、来たるランデブーに備えて、かなりのワインを飲み続けていたのである。


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2.
「あの筋肉を見て! この人のおちんちんはどんなのかしら……」

セレステが玄関ドアを開ける時、ジョーイは大きく深呼吸した。多量のアルコールを飲み続けていたことや、この状況の詳細を詳しく知ったこともあり、ジョーイは、酔いに任せて、トップを脱ぎ降ろして、ボイっぽい乳首を露わにして、セックス相手となる人を出迎えるのがいいのではないかと思い、肌を露わにしたのだった。

明らかに、ふたりの男たち(セレステが雇った売春男)は、ジョーイの服装(というか、服を着てないこと)にちょっと驚いたが、どちらも、この愛らしいボイと一緒になれることへの興奮を隠しきれなかったようである。ジョーイは男性をじっくり観察しながら、実に嬉しそうな笑みを浮かべた。この人は確かに自分が好きなタイプだ。もっとも、彼は、それを認めたのはワインのせいだと思っていたが。

一瞬、ジョーイは以前の人生のことを思い出した。仕事面での生活はあまり変化はなかった。コンピュータ・プログラマとして、前と変わらぬ仕事についている。だが、私生活については、グレート・チェンジにともなって劇的に変わってしまった。身体的変化に対処するのが困難だったのは言うまでもない。だが、文化的変化に比べれば、身体変化など、何でもなかった。

女性的な服装、化粧、それにボイであることに伴う他の様々な周囲からの期待。それらに慣れるのにはかなりの時間がかかったが、何とか彼は適応してきた。しかし、男は……男は手ごわかった。毎日、ジョーイは様々な男性に色目を使われた。街を歩く時も、店の中を歩く時も、常に男たちの視線を感じていた。

皮肉なことであるが、ジョーイが一番こたえたのは、視線を向ける者たちが男だったという事実ではなかった。そもそも、じろじろ見られることが一番こたえた。それまでの人生では、ずっと、平均的な生活を送る平均的な男として、ほとんど目立たぬ人生を送ってきたジョーイだった。そんな彼がセレステのような美しい妻を惹きつけることができたこと自体、いまだに謎のままである。そんなジョーイだったのだが、グレート・チェンジの発生に伴って、何か別の存在に変わったのであった。人から(主に男たちから)求められ、じろじろ見つめられる存在に。そして、それに彼は最初、恐怖を覚えたのだった。いや、グレート・チェンジから4年たった今ですら、彼はいまだに恐怖を感じている。

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3.
「ああ、すごく大きい! ずっと、これが欲しかったのよ……」

「君は俺のとこに来ていいぜ」

セレステは男の股間を掴んで、その太いペニスの感触を味わい、卒倒しそうになった。アルコールのせいかもしれないし、長年、性的欲求不満状態なったからかもしれないが、本物のペニスを持った大きくて逞しい男が現れたことにより、セレステが10年近く封じ込めてきた彼女の別の側面が表に出てきた。セレステは犯されたいと思っていた。しかもできるだけ激しく。かつてジョーイがしてくれたように。

昔のジョーイはたいへん貪欲な男だったのだ。それこそセレステが最初ジョーイに惹かれた理由のひとつだった。昔も今も、ジョーイはセレステを崇め、献身的に愛している。だが、そのやり方は昔と今ではまったく違ってしまった。かつてのジョーイはセレステを強引に壁に押しつけたり、抱き上げたりした後、逞しい一物で奥深くまで貫き、激しく突き上げたものだった。それが今は、優しく舐め続けることや、彼女の方がストラップオンで彼を貫くことに置き換わってしまった。あらゆる意味で(そして法的にも)ふたりはレズビアンのカップルとなっていた。かつて攻撃側だった彼は、今は受身一方のセックス相手になってしまった。

セレステはジョーイを見た。そして彼もこれを欲していると分かった。彼は白状することが滅多にない。でも、いま、ジョーイは男を欲していると分かる。それに、この男たちも彼のことを欲している。

セレステが望むことはただひとつだった。この新しい方法、つまり、今回の性的な出会いが、彼女とジョーイのふたりが新しい役割を受け入れることに役立ってほしいと、それだけである。生活においても、寝室においても、男性との関係においても、それぞれが新しい役割を認識するのに役立ってほしいと。でも、そうすることにより、これまでひとえに彼女にだけ向けられていたジョーイの愛情が、一部、より男性的なものへ移ってしまうことになるのだろうか? そうはなって欲しくないとセレステは願っている。とは言え、彼女は同時にジョーイには幸せになってほしいと思っていた。もし、彼が、愛情を男性に向けることにより幸せになるというなら、その時は、それはそれで仕方がないのかもしれない。

ふたりは解決案を見つけることだろう。ふたりの夫婦生活のためにも、ふたり一緒に幸せになるためにも、ふたりは何らかの解決案を見つけなければならないのだ。ともあれ、ふたりは、このすぐ後に、気が狂いそうになるほど求めていた性的解放を得られることになるだろうが。

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04
「こんなこと、本当に起きようとしているの? あたしは本当にこんなことをしようとしているの?」

ジョーイは顔を寄せ、生れて初めて男性にキスをした。これは……違っていた。逞しい手で腰を抱かれるのを感じた。それに隣からは妻の乱れた息づかいが聞こえる。その妻の声は聞き覚えがあった。グレート・チェンジの前には何度も聞いた声だった。妻は、本物の男性に抱かれることを思い、興奮しているのだ。それに、自分も、同じことを思い興奮している。それを彼は認めざるを得なかった。

ふたりは相手の男を交換していた。どうしてそうなったか、ジョーイは覚えていない。いつの間にか、ジョーイは今の相手にキスしていたし、妻は別の相手にキスしていた。この時点では、そんなことは問題ではなかった。ジョーイはそれほど興奮していたし、彼の妻も同様だったのである。

それほど興奮していたにもかかわらず、ジョーイは、なかなか消えない心配や恥ずかしさや男性性のために、自分を完全に解放することができずにいた。やりたい気持ちはあって、欲望に身を任せてしまいたかったのだが、なぜかそれができず、彼はできるだけ積極的にならないようにしていた。これは妻に、自分はもう彼女をいらないと思っているのだと思われたくなかったからだろうか? あるいは、もっと奥深い理由によるものだろうか? 彼の元のマッチョ指向の最後のひとかけらが支配権を維持しようともがいてるせいであろうか? ジョーイには分からなかった。

だが、ジョーイは、自然の法則には逆らうことができなかった。それは、人が呼吸を止めることができないのと同じだった。彼の肉体が男性に反応したのである。ふさわしいフェロモンの出現、文化的規範、そして、ポジティブな強化(男性と一緒になることは快楽をもたらす。それゆえ、男性と一緒になることは良いことである)という単純な心理的原則の3つがあいまって、この行為は次第により楽しいものに変わっていった。抑制の気持ちは薄らぎ、そして、数分後、とうとう完全に緊張が解けた後は、彼の中のボイが支配権を握ったのだった。

ジョーイが完全に我を忘れて、性的情熱と欲望に没頭するまで、そう長くはかからなかった。かつての彼なら、無理強いして楽しんでいるフリをしたものだが、今の彼は、心から楽しんでいた。

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セレステはふざけまじりに男のベルトに噛みつき、男のごつい顔を見上げ、微笑んだ。男の股間が盛り上がってくるのが見える。早く、それを見て、それに触れ、それが身体の中に入ってくるのを感じたいと思う。

一度だけ彼女は浮気をしたことがあった。この日のほぼ7年前のことである。もちろん、ジョーイはそれについて何も知らないし、セレステが白状しない限り、これからも知ることはないだろう。その情事の後、セレステはひどく罪悪感にかられ、今後一切、欲望に負けて、夫を裏切ることはしないと誓いを立てた。男のジーンズのチャックを降ろしている時、セレステの頭にその時の思い出がよみがえり、彼女はためらった。

ジョーイがすぐそばにいるからと言って、どこが違うの? ジョーイがそばにいるからと言って、遥か遠い昔のことに思えるけど、あの時あたしが立てた誓いに対する責任が消えることになるの?

その時、後ろの方でチャックが降ろされる音がした。そして、その瞬間、セレステは理解した。これで夫婦間の貞操に対しての責任は消えたと。今や、自由に望むことをしてよいのだと。ジョーイも同じなのだと。

セレステには、そのチャックの音以外の励ましは必要なかった。素早く男のズボンの中に手を入れ、そして、その大きなペニスを引っぱりだしたのだった。


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ジョーイは根元から始め、男のペニスの裏側に沿って舌を這わせた。男を味わいながら、気持ちいいと思った。そうしながらも、決して男とアイコンタクトを外さなかった。緑の瞳でしっかりと男の目を見つめつづけ、決して逸らさなかった。ジョーイは、自分が与えている快感が男の顔のひとつひとつの表情に浮かぶのを見たかったからである。

そんなジョーイの背後から、男の唸り声が聞こえた。そして彼の妻も相手の男を同じように喜ばせていることを知る。ほんの一瞬、ジョーイの頭に、グレート・チェンジの前にセレステが彼のために同じことをしてくれたことが浮かんだ。だが今は、セレステがそれをしたくても、ジョーイのペニスは萎えたままになってしまうのを知っている。かろうじて勃起するためには、彼女にストラップオンでアナルを貫いてもらわなければならないのだ。今はそれがいつものことになっている。

それでもいまだにジョーイは、セレステの相手の男に少し嫉妬心を感じざるを得なかった。まさに彼の男性性が羨ましいと。確かに、今の、女性的なボイという新しい立場に慣れてはいたが、だからと言って、その立場を受け入れているというわけではない。彼はいまだに、チャンスが与えられたらすぐにでも元に戻りたいと思っている。

とは言え、過去は過去だ。彼には現在のことこそ大事なのだ。ジョーイは、男のペニスを口に咥えこみながら、現在のことも悪くはないかもしれないと思った。

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ジョーイはピンク色のストッキングを履いた脚を男の肩に乗せ、できるだけ脚を広げた。そして彼の相手の黒人はその男根をジョーイの濡れたアナルに挿入した。男は挿入した後、ゆっくり、徐々に深く押し込み、最後には根元まで入れた。それを受けて、ジョーイは小さく、女の子のようなヨガリ声をあげた。

男が出し入れを開始すると、ジョーイは仰向けに横たわり、顔を横に向けた。彼の妻も同じことをした。ふたりの舌が触れあった時、ジョーイは、この瞬間、自分も妻も前とは変わり、二度と元に戻れなくなったと知った。男に挿入されただけのことで、ふたりが求め、必要としていたことが、あまりにもたくさん満たされたからである。他のことはすべて、これに比べたら、お笑い草にすぎないように思われた。

それでも、ふたりは一緒である。そのことは何か重要な意味があるはずだった。

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それは、誰と誰がペアになっても構わない乱交状態へと展開していった。

ジョーイはカウチに座り、たった今されたセックスの後でハアハアと息を乱しながら、妻がひとりには後ろから犯され、もうひとりの男のペニスを咥えている様子を見ていた。

心の中、嫉妬心が燃えあがっていた。だが、それは予想できていたようなタイプの嫉妬心とはまるで違っていた。男たちに嫉妬するのではなく、自分の妻に嫉妬していたのである。自分もふたりの男にサンドイッチされたいと思った。ひとりのペニスでアナルを犯され、もうひとりのペニスをしゃぶりたかった。要するに、彼は自分の妻をセックスでのライバルと見るようになっていたのだった。

ジョーイの中の男はどこにいるのか? 昔のジョーイはどこに行ったのか? 彼にはどちらの質問にも答えられなかった。分かっているのは、自分がボイであること、そしてボイは男と一緒になるものということだけだった。そうであるので、彼は、逞しいふたりの男に、自分にふさわしい扱いをされたいと思ったのである。自分をセックスのオモチャにして欲しいと。

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「ああ、いい。もっと強くヤッテ!」

ジョーイはありったけの激しさで、貪欲な淫乱のごとく男の上で上下に跳ね続けた。そう、彼は文字通り、貪欲な淫乱になっていた。そして、彼の妻も同じく跳ね続けた。他のことを思ったりしない。昔のことを思い出しもしない。あるのは快楽だけ。

セレステも同じだった。


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ふたりは相手をスイッチし、互いに顔を突き合わせる形で、後背位で犯された。ジョーイはふざけまじりに妻の乳房をいじった。別に、そうすることで彼が気持ちいいからではない。そうすることで男たちが興奮すると思ったからである。

そういう動機でしか、ジョーイは妻に関心を寄せなくなっていた。彼の男性性、あるいはその残滓といえるものは、すっかり消えていた。彼は自分が誰で、何者であるかについて、幻想を抱くことはなくなっていた。自分はボイなのだ。頭のてっぺんからつま先まで。


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ジョーイは塩辛いと思った。口に射精を受けながら彼はそう思った。不快ではなかった。ただ、しょっぱいと。

彼はもっと入れてほしくて口を開けた。そして視界の隅で、彼の妻が、男のペニスの先端から出てる精液をロリ―ポップのように舐めているのを見た。

これが、ふたりの未来の夫婦関係の姿になるのだろうか?

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「これ、ネットに上げちゃダメよ!」

ジョーイは男の精液を口に入れたまま舌を突き出した。あごに別の男の精液をつけたままで。そして彼が顔を妻の顔に押しつけたポーズで、男たちは写真を撮った。写真を撮られながら、ジョーイはこれからのセレステとの生活が見えたように思った。

ふたりのベッドに他の男たちが頻繁に入ってくることになるだろう。だが、それは、ふたりの夫婦関係に対してどういう意味を持つのだろう? それでも一緒でいられるほど、自分たちの夫婦のきずなは強いのだろうか?

これからもセレステと一緒に生きて行くと思ってるかどうか、それすらジョーイには分からなくなっていた。セレステからは、自分が求めているものを得られないのに?

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エピローグ

ジョーイとセレステは、その後すぐに、夫婦でいることで互いに相手に迷惑を与えることになっていたと悟り、あの男娼ふたりと行為をした、たった2日後に、公的に別れたのだった。

しかしながら、ふたりは親友のままであり続け、ルームメイトとなっている。

1年後、治療法が発見された時、ふたりの間で、ジョーイがその治療を受けるべきかについて議論がなされた。だが、最終的には、セレステはジョーイに、もうこれ以上、違う人生を望むフリをしなくてもよいこと、ボイであることは構わないことと説得し、ジョーイもそれに納得したのだった。

彼は治療は受けず、最後には、とある成功したビジネスマンと結婚した。セレステは、彼の結婚式において、花嫁の付き添い役を務めた。


[2016/03/15] 拒否(キャプション) | トラックバック(-) | CM(0)

女性化キャプション3 (4:終) 

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そんなに大きすぎるわけでもないよ。パーフェクトじゃないか。

「でも、エクササイズしようとするといつも、これが痛いんだよ。神様は、ボクに走るのを禁じたようだ。スポーツブラを2枚重ねて着けても、ぶるんぶるん揺れて、すごく不快になる。それに、背中の痛みのことも言わせるつもりかい? 仕事で一日中働いた後なんか、痛くて痛くて」

そう言わずに。君はそれを何か重荷のように振舞っているよ。でもね、君のような胸を求めて死にそうになってる女の子がたくさんいることを知ってるかい?

「でも、ボクは女の子じゃない!」

ああ、その通り。君は男だからと言うんだろ? そのおっぱいがありながら。その小さなおちんちんで。髪の毛も長くして。カラダは曲線美豊かだというのに。それに……

「オーケー、言いたいことは分かったよ。ボクは男じゃないって言いたいんだろ? そう言って、嬉しいのかい?」

君もそれで嬉しいなら。

「でもボクは嬉しくなんかないんだ! 何と言うか、もっと小さくするものがあればいいなと」

君は前に言っていなかったかな? そんなことをすることは、神様が贈り物を授けてくださったことへの返礼として、神様の頬にビンタするようなものだと?」

「ああ、でも……」

でも、何かな? 君は、その乳房と折り合いをつけて生きて行かなくちゃいけないんだよ。それはそんなに悪いことじゃない。さっきも言っただろ? そういった乳房があったらいいなと思ってる女性は山ほどいるんだよ。君だって、そのおっぱいがなかったら、そもそも、今の仕事に就けていなかったと思うよ。

「でも、ストーンさんは、ボクが好適だからボクを雇ってくれたんだよ! ストーンさんは僕のお、おっぱいになんか興味はないよ」

いつまでも、そう言っていればいいさ。いつまでも。

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「これ、うまくいくわよね。絶対うまくいくでしょ?」 とアーロンは訊いた。

「うまくいかないと思ったら、ここには来ないわ。あなたも分かってるんじゃない?」 とテレサが言った。「彼が餌に食いつくって。絶対よ」

アーロンは、すっかり全裸で回りの人に丸見えになりつつ歩道を歩きながら、まさに餌そのものになってるように感じた。恥ずかしい気持ちだったと言うだけでは、まったく言い足りないだろう。でも、テレサによれば、これが唯一の方法なのだった。ふたりにとっては、これが、良き生活を得るための唯一のチャンスだったし、アーロンは、それを台無しにするつもりがないのは確かだったのである。

それでも、もし彼が、この計画についてうまくいかないかもしれないと思っていないと言ったら、彼は嘘をついていることになるだろう。この計画とは、彼が(テレサの言葉であって、彼の言葉ではないのだが)「男の娘」になり、このリゾートのオーナーであるサッド・フィツパトリックを誘惑するという計画だった。もちろん、すべては、このリゾートがヌーディスト・リゾートであるという事実により、ややこしくなっていた。ヌーディスト・リゾートだと言うことになると、アーロンは、「男の娘」として通るためには、この変装に本気で取り組まなければならないということを意味していた。

そして、彼はその通り、本気で取り組んだのだった。抗男性ホルモン剤を服用し、厳しいダイエットと厳格なエクササイズに専念したのである。その結果、1年という時間をかけて、彼は完全に自分の肉体を変え、その後、2回ほど小さな手術を受けたのだった。そして、彼はとうとうテレサに合格の言葉をもらったのである。

「本当に、彼、こういうのにハマってるのよね? 確かなのね?」 アーロンがこのような質問をするのは今回が初めてではない。

「どうかなあ。ちゃんと確かめずにここまでやってきたらから」とテレサは皮肉まじりに言った。「でも、もちろん、あたしは確信してるわ。彼はあなたのような男の子が好きなの。それで、あなたの方は心の準備はできてる? だって、ほら、あそこに彼がいて、あなた、もうすでに彼の視線をとらえているみたいよ」

「こ、心の準備?……あたしは、ただ……」 アーロンは、お腹のあたりがそわそわして、怖気づいてしまいそうだった。だが、何百万ドルもの大金がかかっていることを思い出し、何とか、勇気を奮いたてた。「ええ、準備はできてるわ。さあ、始めましょう」

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彼は、いろいろなあたしの姿を見ている。強情な高飛車オンナになったあたし。優しく愛するあたし。自信をもった女になったあたし。その、あたしのいろいろなバージョンを見てきてるゆえに、いっそう、彼はあたしを愛してくれている。

彼はあたしの過去を知っている。ひとつひとつの段階を経る時、彼はいつもそばにいて、あたしを支え、愛してくれた。彼は、最悪の時のあたしの姿を見ている。この世の中で、自分の居場所が全然わからなかったおどおどして恥ずかしがり屋の少年だったあたしを、彼は見ている。あたし自身は全然わからなかった時ですら、彼は本当のあたしを知っていた。

あたしが変身するところも彼は見ていた。知らない人に指を指された時、彼はそばにいて、彼らが笑った時、あたしをかばってくれた。そういうことが耐えきれないほど積み重なった時も、彼はあたしを慰めてくれた。彼の肩に顔を埋めて泣いたことが、幾度あったか、数え切れない。

あたしが花開いたところも彼は見ている。あたしが、今のあたしになるところを彼は見ている。そして、そうなるまでずっと、彼はあたしにとってしっかりした岩となってくれた。多くの変化を経る間、しっかりと固定して、あたしを自分の現実からはぐれないようにしてくれる錨となってくれた。

あたしは彼にとてもたくさん迷惑をかけた。どうしても罪悪感を感じてしまう。周りの人々はみんな、彼のことを、単にあたしと一緒にいることだけで判断した。彼らにあたしは大声で抗議したくなる。彼こそ素晴らしい人間なのだと伝いたくなる。でも、彼らが耳を貸さないのは知っている。あの人たちはそういう人間なのだ。

あたしがこうなるまでずっと、彼は持っている愛情のすべてをあたしに注いでくれた。そしてあたしは、そのことを永遠に感謝し続ける。そして、あたしが願うことはひとつだけ……祈りにも似た願いはひとつだけ……いつの日か、彼に、あたしにとって彼がどれだけ大切な人なのか示す機会が授かりますように、と。

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「おお、何という! これが彼だなんて、ありえない。そうだろう?」 とポールは言った。「いや、ありえない。これは、なんかの冗談じゃないのか?」

「いいえ、冗談ではありませんよ、スティルズさん」 とテレサは答えた。「本当に、これがあなたのクライアントです」

「し、しかし、彼に何が……筋肉も、刺青も……」 ポールは呟いた。

「あなたは、身元の完璧な隠滅をお望みでしたでしょう? 身元がバレるような特徴はすべて消すことを。リューベン・フィーネスの痕跡は一切ありません」

「でも、どうやって? 君が良い仕事をするのは知っているが、それにしても、こんな……」

「私どもの方法は、絶対秘密になっております。その点は、どうかご理解を」

「彼は、これで納得してるのか? 彼は、こんな……こんな姿になって、気にしていないのか?」

「彼は、完全な変身をする必要があることを理解してました。そして、性別を変えること以上に良い変身は存在しません。リューベン・フィーネスと、このルビイ・フランクリンとの関係を掴む人は決して現れないことでしょう」

「確かに、その通りだ。そ、それで、これからどうする?」

「まずは私どもにお支払いをお願いします。電信で送金してくれて構いません。その後、あなたの元上司だった彼女を、彼女が望むところへどこへとなりお連れすれば良いのでは? 私どもには関係ありません。ただし、もし、あなたがここで起きたことを他の人に話したら、その場合は、あなたが私どもの次の仕事の対象になることだけはお忘れなく」

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「でも、まだ理解できないんだけど、どうしてあたしがこのドレスを着なくちゃいけないの? あなたが着た方がもっと適切じゃない? だって、ここではあなたが女の子なんだから」 とサムは言った。

キャリスタは答えた。「もう、100回は言ったはずよ、サミー。あたしがそれを着るのは、不誠実なことになると思うのよ。あたしは女の子かもしれないけど、あたしたちの結婚では、あなたが妻になるのは確実でしょう? あなたも納得してる通り」

「でも、ふたりともスーツを着てもいいんじゃない? そうしてるレスビアンのカップルをたくさん見たことがあるもの」

「あたしたちレスビアンじゃないでしょう? それに、あなた、スーツを着るとすごく変に見えるのよ。自分でもそう思わない?」

サムはふくれっ面になって、ドレスをベッドに放った。「あなたは分かってないわよ」

「いったい、どうしたの? どうして怒ってるの? これまで、あなたはドレスを着ることに、一度も文句を言ったことがなかったのに」

「でも、式にはあたしが知ってる人がみんな来るの。みんなよ! 昔の友達や、家族も、ママもパパも。みんな、あたしたちの関係を理解しないと思う。どうしてあたしが今のような姿になったのか、みんな、理解しないと思うの。みんな、最後にあたしを見た時は、あたしはごく普通の男だった。なのに、今は? あたしを見てよ、キャリスタ。みんな、どう思うかしら?」

「で、あなたは、スーツを着れば、それを隠しきれると思ってるわけ?」

サムは頷いた。

「そうはいかないのは知ってるくせに。みんな、あなたが何を着ててもちゃんと分かるでしょうね。それに、そもそも、そんなことは問題じゃないんだから。この結婚式は、あなたにとっての特別な日になるの。他の人がどう思っても、あたしたちは、他の人と変わらない普通の人間なのよ。互いに愛しあっていて、人生の最後まで一緒に暮らしていきたいと思っている男と女なの。あなたが何を着ようが、それに、あたしたちが夫婦になって、どちらが一家の主となろうが、そんなこと、問題じゃないの。問題なのは、あたしたちが幸せかどうかという点だけ。そして、もし他の人がそれを支持できないと言うなら、そんときは、そんな連中、勝手にしろ、だわ」


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フェリシアは、彼女たちに否応なく向けられる視線を無視しながら、車のボンネットにもたれかかった。そして、彼女の心も、同じく否応なく、これまで彼女が辿ってきた人生の道を振り返っていた。そう、彼女がフェリシアになる前の人生を。暴走族である「破壊の息子たち」の駆け出しのメンバーだったフェリックスと名乗っていた頃の人生を。

フェリシアと親友のトミー(現在はタミー)は、少年期から「破壊の息子たち」を憧れ、その追っかけをしてきた(もちろん、普通の人々は、そのバイク暴走族を危険なギャング集団と見ていたのであるが)。ふたりとも、夢と言えば、そのメンバーになることだったと言ってよかった。そんな具合であったので、メンバーに慣れるかもしれない機会が生じた時、ふたりはそれに飛びついた。ふたりとも実際には犯罪や脅迫に満ちた生活に向いていた人間ではなかったのだが。ともあれ、最初の2年ほどは問題なく過ごすことができ、ふたりは、若手ではあるものの、族の信頼されるメンバーになり、次第に重要な仕事を任されるようになっていた。

だが、ふたりがそれぞれ10キロ以上のコカインを運んでいるときに、ライバルのギャングたちにつかまってしまった時、ふたりに転換期が訪れる。(あまり勧められることではなかったが)予想した通り、ふたりの成り上がりの暴走族は殺されるのを恐れて、運んでいたブツを渡してしまったのだった。「破壊の息子たち」は、そのことを知ると、手厳しい罰を与えた。

族のリーダーのマイクが言った。

「おめおめと渡しやがって、オマエら、女の腐ったようなやつらだな。マジで、そういうふうになるのがオマエらの運命だ! オマエら、二階にいる女どものところに行け。今後二度と、男のような振舞いをするなよ。そうしてるところを見たら、必ず、ぶっ殺すからな!」

そして、命の危険を感じたふたりは、リーダーの命令に屈して、(手術や女性ホルモン摂取を含む)全面的な女性化を受け入れたのだった。それからしばらくして、ふたりは、族の随行者(もっと正確には、グルーピー)の一部として受け入れられた。

これは頭のいい措置だとフェリシアは思った。これにより、族は、好きなことならどんなことでも喜んでヤラせてくれる淫乱女をふたり獲得したことになったばかりか、元メンバーがこうなったということで、族の仕事を裏切る可能性がある者たちへの見せしめにもなったからである。フェリシア自身にとっても、とうとう、自分にふさわしい居場所を見つけられて、この上なく幸せであったのだった。

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ケイティは彼らの前を行ったり来たりしながら言った。

「もちろん、こいつら完全に従順よ。どんなことを言っても、やるわ。質問は禁止。不平も禁止。もう頭が命令に従うようにできてるの。ちんぽをしゃぶれと言えば、喜んでしゃぶる。バレリーナの格好をして、みんなやみんなの友だちにからかわれながら歩きまわれと言えば、喜んでそうする。こいつらみんな、命令に従わなかった場合にどうなるかちゃんと知ってるから」

ジャネットは左から右へと順に目を向けた。そうして大学の中でも最も悪名高いプレーボーイ3人の姿をしっかり目に焼き付けた。3人とも、最後に見たときとはまったく姿を変えていた。ピンク色の紐の先につながっている3人は、彼ら3人が食い物にした女子学生たちと、実質、見分けがつかない……脚の間にある小さなシロモノは別だけど。

ケイティがこの3人をどういうふうにして変身させたのかは謎だった(少なからず恐ろしいことだろうけど)。確かに、彼らの元の容貌の痕跡は残っている。前に彼らを知っていた人なら、誰でも、同じ人だと分かるだろう。だが、彼らの身のこなしや態度、そして人格はと言うと……それらはすべて消えていて、完全に従順なものに置き換わっていた。

ジャネットの心を読んだかのように、ケイティが言った。「3人ともちゃんと残っているわよ。男の心はね。それは、わざと消去しなかったの。3人とも自分に何が起きているのか、ちゃんと分かっている。だけど、それについて何もできないのよ。何なら、こいつらを一時的に解放させるトリガーの言葉を教えてあげてもいいわよ。こいつらが、自分がしたことや自分がどんな人間になってしまったのか、現実を知って慌てふためくのを見るのって、本当に楽しいわよ」

ジャネットはケイトが言ったことの意味を考え始めた。だがすぐに他の女の子の言葉に、考えは中断してしまった。

「さあ、説明はもう十分だわよね? 実際に見てみることにしましょうよ。さあ、あんたたち、まずは、お互いにちょっとエッチなことして見せなさいよ」


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「彼は完璧に健康です」 と医者が言った。

「完璧に健康って!」 彼の母親が大きな声を出した。「完璧に健康って、あんた、いったい何を言ってるの? 彼を見てみなさいよ!」

「お母様」 医者は落ちついた声で言った。「少し、落ちついてくださらないと。このことで、辛い気持ちを味わってらっしゃるのは分かります。ですが、お母様、落ち着いてくれないと、私は、ここから出て行ってくださいと言わなければなりませんよ」

「でも、彼を見て」 母親の声はまだ切羽詰まった調子ではあったが、かなり落ち着いてきていた。「む、息子は……息子はお、女の子のような身体に……!」

「ショッキングなのは分かります。でも、息子さんが摂取したモノを考えると、これは驚くに足らないことなのです。むしろ、より厄介なことになっていない点で、運が良かったと言えるのです。様々な癌の症状を出してると診断されてる人もたくさんいるんですよ。白血病とか、リンパ腫とか肝臓癌とか。大勢の他の患者さんたちと照らし合わせると、お子様はかなり幸運なのですよ」

ボクは叫びたかった。幸運? 幸運なんてものから一番離れた状態にいる気持ちなんだけど? 何もかも、ジムにいたあの男に説得されて、新しいステロイドを試してしまったせいということ? 確かに、何か副作用はあるだろうなとは思ったけど。肌荒れとか気持ちが一時的に塞ぎこむとか……よくある普通の副作用はあるかもと思ったけど。でも、だんだん、身体が変わり始めて……。

「でも、何か治療法はないの?」 ママが言った。「手術とか? ホルモンとか?」

お医者さんは頭を左右に振った。「手術は効果的かもしれません。一応は。でも、お母様も理解しなければいけません。アダム君の身体は、化学的構成も、そして骨格の構造からして、変わってしまったのです。手術をしても決して元通りになるわけではありません。せいぜい達成できたとしても、両性具有状態に似たものにすることくらいしか期待できません。それにしても、息子さんの体形がこれほどですから、かなり長期間、治療を続けた後になるでしょう」

そういう答えになるのは、ママが質問する前からボクには分かっていた。ボクだって分かる。身体があまりにも変わってしまい、元に戻るなんて……不可能としか思えない。それも、お医者さんによれば、充分な理由がある。ボクが摂取した「ステロイド」の構成を逆構成できたら、もしかして……というのが残された希望だけど、誰も、あの薬のサンプルを持っていないので、そんなのは夢のまた夢だろうな。

「そもそも、こんなこと、どうしてあり得るの?」 ママは、事態の深刻さをようやく納得したらしく、別の質問をした。「息子は大学に進むことになっていたんです。10以上も奨学金を提供されていたのよ。でも今は? こんな姿になってしまって」

身長185センチ、体重90キロはあったのに、30センチは低くなったし、30キロは痩せてしまったかな? ましてや、このおっぱい。大学でフットボール選手として活躍するには体格がふさわしくないと言うだけだったら、とてもじゃないけど、言葉が足りないよ。

「いいですか、ケインさん。他のご両親にもお話ししたことを言いますが。これは、簡単に直るようなことではないのです。あなたの息子さんは不可逆的に変身してしまった。彼が摂取したものがどういうふうに作用しているか、それすら分からない状態なんです。ましてや、直す方法なんて、もっと分かりません。でも、息子さんは健康だということで、とても幸運なんですよ。それに、適切に振舞えるようになれば、かなり普通の人生を生きて行くこともできるのです。ええ、息子さんは男性にはならないでしょう。ですが、それでも、幸せに生きて行くことはできるんですよ。問題は、お母さん、それであなたが満足するかどうかにかかっているんです」

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「マークなの?」 ティナは驚いた。「ああ、なんて! 本当にマークなの?」

「ああ、そう」 と少しはにかみながらマークは答えた。

「な、何が……いったい何が起きたの?」

「ショックなのは分かる。君が2ヶ月ほど離れてて、戻ってきたら、これだから。でもね……」

「でも、あなた、こういうの嫌っていたじゃないの?」 ティナはマークの言葉を遮った。「ちゃらちゃらしたランジェリとか、お化粧とか、長い髪の毛とか……」

マークは肩をすくめた。「嫌ってはいないよ。ただ……何と言うか……話しは込み入ってるんだ」

「確か、あなたは、大学の男性権利クラブの部長だったわよね? あなたがいつも言っていたことでしょ? そういうものはすべて、男性の従属化を広めるための女性による文化構成物にすぎないって?」

「まあそんなことは言っていたけど」 マークは認めた。

「じゃあ、何が変わったの? あたしがここを離れた時は、あなたは事実上、闘争的な男性至上主義者だったじゃない? なのに今は? 今のあなたは、レースの下着を着て、お化粧をし、髪を長く伸ばしてる。どうしてこうなったの?」

「バレンタイン・デーだから」 とマークは答えた。

「あたしの質問に答えてないわ」

「いいよ。言うよ。ボクは馴染むことにしたんだ。ボクがそう言うのを君は聞きたかったんだろう? 確かにボクはジーンズを履いてTシャツを着るのにうんざりしてるし、みんながボクのことを、何か病気になってるみたいに見つめるのにもうんざりしてる。職場の女子の半分は、ボクのことをゲイだと思っているよね。そして、男子の方と言ったら……一切、ボクと関わろうとしない。でも、最悪なのはそこじゃないんだ。最悪なのは、ボクがスーツを着て君のイベントとかに出席すると、君がからかわれてしまうということ。そういうのイヤなんだ。ボクは君がそんな目に会う原因になりたくない。本当に」

「あたしはそんなの気にしていないのに……」

「でも、それは君が思ってることとは違うよ。ボクは君にふさわしい夫になりたいんだ。ボクは可愛くなりたいんだ。ボクは君にボクのことをみんなに見せびらかして自慢してほしいんだ。そうなるためには、時々、ドレスを着るというんだったら、それも構わないって」

「でも……」

「『でも』はなし。もう決心したんだ」

ティナは長いこと沈黙していた。そしてようやく微笑んだ。「ということは、これが新しいあなたということね?」

マークは肩をすくめた。「そうだと思う。でも、新しいボクということで、フットボールを観ながらビールを飲むのを止めるということを言うんだったら、話しは……」


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夫に元に戻ってほしい。そう願うことが間違っていて、無神経なのは知っている。でも、どうしても我慢できない。ずっと最後まで夫のことをサポートしていきたい。夫を愛している。でも、実際、あたしは男性と結婚したの。なのに、彼の今の姿を見ていると、彼は「男性」というものからあまりに遠くかけ離れてしまい、本当に昔は男性として生きていたのか信じがたいと思わざるを得ない。

彼がずっと前から他の男の人とは違うと感じていたと、自分は男性の肉体に閉じ込められた女性なのだとあたしに告白した時、あたしは彼と一緒に号泣した。そういうことの感情面で夫に同調するのはとても簡単だった。夫はとても勇気があって告白してくれた。だから、あたしは、夫をサポートするのが義務だと感じずにいられなかった。でも、心の奥では、このことを認めると、あたしと彼の夫婦生活にどういう意味をもたらすんだろうと、どうしても気になっていた。わがまま? そう。自分でも分かっている。

彼が肉体を改造していくのをずっと見守った。男性性のひとつひとつが薄れ、消えて行き、代わりに女性的な曲線が姿を見せてくる。彼が辛い時期、つまり、どう見ても男がドレスを着ているとしか見えなかった時期、あたしは夫を励まし続けた。ここまで来たんだから、必ず、いつの日か、他の女性と見分けがつかなくなる日が来ると、彼に言い続けた。でも、彼の身体が柔らか味を帯びてくるにつれて、あたしは彼の失われた男性的な部分を惜しむようになっていった。そんなたび、あたしは、自分は何て恐ろしいことを思う人間なんだろうと思った。だけど、どうしてもそう感じてしまうのはダメなのかしら?

夫が、ご両親の反応に対処する時も、あたしは慰め続けた。特に、夫のお父様は激しく怒った。あたしは、ご両親に機嫌を直すように言い、いつの日か、美しい女性として夫をありのままに見てくれる日が来るよう伝えた。でも、あたしは、心の奥底では、ご両親の拒絶反応が痛いほど理解できる。自分の息子が娘になるのを望む両親がどこにいるだろう? 受け入れることはできるかもしれないけど、それを祝福することまではできないだろう。あたしの恐ろしい思いから生じた罪悪感が、あたしを圧倒し始めた。

夫を愛している。それは真実。でも、それはロマンティックな愛ではないと、もはや、そうではなくなっていると認めざるを得なかった。夫はもはや男性ではない。あたしは夫を男性と思うことを止めなくてはならない。でも、同時に、あたしは夫を女性として見ることもできない。そして、それゆえ、あたしは本当に恐ろしいほど自分を恥ずかしく感じている。

じゃあ、これからどうしたらよいのか? どんな顔を彼に(彼女に?)見せたらよいのか? これは契約とかでサインしたという話しではない。夫をサポートすると言った時、こうなるとは予想できなかった。前もって心の準備を整えておくなんてできなかった。

今、夫はお祝いをしたがっている。理性的にはあたしもそれを理解できる。公的に男女の性を変えるのは大仕事だから。でも、シャンパングラスを掲げる彼を見ながら、あたしは、これはお祝いではないと思った。少なくとも、あたしにはお祝いではない。これはお葬式だ。

夫は亡くなったのだ。そしてその代わりに、見知らぬ人が入ったのだ。何も変わっていないようにあたしに振舞うよう期待している見知らぬ人が。

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これが、あなたが望んだことでしょ? 違う? 支配されることよね? 奥深くの、闇の中の、最も恥辱に満ちた夢を無理やり探られること。あなたがあたしに言ったことって、そうよね? で? なぜ、もがいてるの? 考え直したとか? そうだとしたら、理解できるわ。今日は大イベントの日。不安になるのも当然よね?

あら、あなたのお友だちにバラされたくなかったの? そうするには、ちょっと遅すぎたみたいよ。大半のお友だち、もう、こっちに来る途中だわ。みんな、ショーを楽しみにしてるみたい。みんな、あなたから、すごいアナウンスメントがあるって思ってる。そんなお友だちをがっかりさせたら悪いでしょ?

それとも、みんながあなたの姿を見た後、何が起きるか心配しているの? 間違いないわね。何人か、あなたと楽しみたいと思うんじゃないかしら? でも、これまでも何回もそういう経験はしてきているでしょ? だったら、今回もたいした違いはないんじゃない?相手があなたのお友だちになるだけで。

いいこと、淫乱ちゃん。これは全部あなたが考えたことなの。あなたがこのゲームをしたいと言ったの。あなたが、あたしに、あなたをエッチでイヤラシイ可愛い淫乱として扱ってほしいと言ったの。あたし? あたしは男性と結婚したのよ。こんな男の娘なんか欲しくなかったの。これは全部、あなたが招いたことなのよ。あたしは、ただ話しを合わせていただけ。

ええ、確かにあたしも役を演じたわ。鞭で叩いたり、ビンタをしてあげたり、ストラップオンで犯してあげたり。あたしは、あなたが望む恥辱をするための道具になってあげてたのよ。あたし自身は、そんなのしたくなかったわ。もっと言えば、いまだにあなたが本物の男だったらいいのにって思っているんだから。

でも、もう、船は出ちゃった。あなたもあたしも、あなたが誰か、あなたがどういう人か知っている。そして、今夜から、他の人もみんな知ることになる。今後はスーツ姿の下に隠す必要はなくなる。今後は、あなたも、どんな女を征服したかなんて嘘をつく必要がなくなる。障壁と言うか境界がなくなるのは、あなたとあたしとあなたの親友何人かだけだから、構わないじゃない。

心の準備ができたかしら。そろそろあなたの人生が変化を迎える時が来るわよ。

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「シモンズ先生?」

トーマスは思い切って訊いてみた。そしてもう一度、見直した。「ああ、なんと……」

「こんばんわ、トミー」 冷静に落ちついてるといったふうに聞こえるような声で言った。正直言えば、恥ずかしさを隠すのに精いっぱいだった。「調子はどう?」

「な、何と言うか……ぼ、僕はただ……」 トーマスは口ごもった。

重要なのに誰も触れたがらない点。それはゾウが部屋にいるのに誰も何も言わないようなもの。それを話題にすることにした。 「ええ、トミー。あたしはドレスを着ている。それに訊かれる前に言うけど、そう、乳房があるわ。あなたたちが大学に進んでから、たくさん変わったの」

「で、でも……マイクは知ってるんですか?」

「もちろん、息子ですもの」

そう答えたけど、真実は少し曲げていた。息子はあたしが女として生きているのを知っている。でも……まあ、すべてを知っていると言うわけではない。あたしはチラリとリコの方に目をやった。リコはあたしのヒモ。もちろん、リコもあたしを見ている。彼はすべてを見ている。そしてリコは、あたしに興味を持った人誰に対してもあたしがサービスを提供するように期待している。トーマスもそんな人のひとり。端的に言って、あたしは娼婦。

ちょっと脚を広げ、トミーに「商品」を見せた。

「ちょっとお楽しみをしたいと思ってたんじゃない?」 と娼婦っぽいベストの声で問いかけた。

「ええ?……ちょ、ちょっと待って……まさか…ああ、なんてこと! ダメです。何と言うか、マイクも一緒に来てるから」

心臓が喉から飛び出そうになった。「マイクがここに?……そ、そんなはずは…」

だが、確かにマイクの姿を目にする。自分の店を見回る店長のようにカジノのテーブルの間をゆったりと歩いていた。そして、マイクもあたしを目にした。すべてがめちゃくちゃになる。

「お、お父さん? 何をしてるんだ。ああ、まさか。それに、その服。何でドレスなんかを!」

「お前には理解できないだろう。絶対に。……いいか、後ですべてを説明する。だから、ここを出るんだ。いいか? こんなふうにパパのところに関わってはダメ。パパの仕事中はダメ」

「仕事中? どういうこと、仕事中って? パパ?」

それに答える時間はなかった。というのもリコが記録的なスピードでカウンターの向こうから駆け寄ってきたから。

「このガキども、お前の邪魔をしてるのか、ジャスミン?」

リコは最大限の凶悪顔になって言った。途端に部屋全体が暗くなった。強調するようにこぶしをグリグリ擦り合わせる。

「違うわ、リコ」 とあたしは手をリコの逞しい胸に当てて答えた。「この子たちは違うの。この子たち、何も分かっていないだけ……」

「ただマンは禁止だぞ。お前たち、楽しみたかったら1000ドル持ってこい。1時間たっぷり、どんな変態行為も楽しめるぜ。だが、カネがねえなら、彼女には手を触れるな。いいな?」

「ジャスミンって?」 マイクが言った。「でも、僕は……これってまさか……」

あたしは息子を遮った。「彼が言った通り、カネがないならダメよ」

そしてリコがふたりを追い払うのを尻目に、再び飲み物を飲み始める。明日の朝は説明することが本当にたくさんありそう。



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「ワーオ! ホントびっくり! 素敵よ」 とサマンサは彼氏を見つめて言った。

イアンは恥ずかしそうにうつむいた。「ほんとにそう思う? ちょっと派手な感じがしてるんだが。今回のこと、あんまり速く展開してて、どうしても、ちょっと心配になってるんだ」

サマンサは微笑んだ。「分かるわ。でも、あたしを信じて。あなたはとっても素敵よ。ここまでしてくれて、本当にありがとう」

イアンも微笑み返した。「君が求めたことだから」

必要な説明はそれだけだった。彼は彼女が求めることなら何でも行う。それはふたりとも知っていた。イアンはそれほどサマンサに夢中なのである。

サマンサは彼に近づき、耳元に囁いた。「でもね、バレンタイン・デーにドレスを着てくれるような男は、ただ者じゃないわ」

「僕はただ者じゃないから」 イアンはそう答えた。サマンサが顔を近づけると、彼は引きさがった。「ヤメて、口紅が台無しになっちゃう」

サマンサは、うふふと笑った。「その言葉、あなたの口から出てくるとは思ってなかったわ」

イアンは肩をすくめた。「僕も、そんな言葉を言うとは思っていなかったよ。でも、僕たちは今の姿になっている」

「いいことを思いついたわ」とサマンサは、イアンから離れながら言った。「でも、ノーと言わずに、最後まで聞いてね。いい? 初めて言うことだから」

「う、うん。いいけど……?」 とイアンは呟いた。

「一緒にお出かけしない? あたしたちレスビアンのフリをするの。そして……」

「ええ? でも、知ってる人に会ったらどうする? できっこないよ……」

「ベイエリアに行くのは? あそこならあたしたちの知り合いはいないわ。それに、そこからホテルに行ってもいいし、そして……。素敵な夜になるわ。すぐに分かるから」

「でも、何と言うか……それって」 イアンは口ごもった。「と言うか……もし君が望むなら……」

「最高!」 とサマンサは言った。「さあ、ハンドバッグを持って、7時に予約を入れてあるの」

「よ、予約?」 イアンは、自分がどんなことに首を突っ込んでしまったのだろうと思った。

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この男たち、あたしたちをこういう状況に追い込んで、自分たちがとても賢いと思っているんじゃない? それに、あたしたちのことを、これから何が起きるか分かっていないほどウブで、マヌケだと思ってるんじゃない? あたしたちが、それほどオツムが空っぽだと。違う?

あたしたち、学生社交クラブに入会する誓約をした瞬間から、こういう状況になるのを知っていたのよ。他のみんなと同じく、こういう話しは耳にしていたから。フリルがついたランジェリ姿になってちゃらちゃら歩きまわるように仕向けられ、大きくて強そうな男子学生たちにからかわれるって話しでしょ? ええ、そうやって、お願い!

ちょっと? あなたたちが何を考えてるか分かるわ。ちゃんと分かる。本当よ。でも、あなたたちが理解しなくちゃいけないことは、あたしたちが典型的な男子学生ではないということ。もっと言えば、そもそも、あたしたちは男だとは言えないということ。あたしたちは、頭のてっぺんからつま先まで、完全に男の娘なの。ええ、そのことについて、謝る気持ちなんてないけどね。

そんなわけで、彼らに無理やりパンティを履かせられた時も、あたしたちは「いやいやながら」それに従ったわ。あたしたちふたりで互いにいちゃつくように無理やりさせられた時も、「ためらう」フリをしてそれに従った。それに、クラブの会長の太くて、お汁たっぷりのおちんちんをしゃぶらされた時も……まあ、その時は嫌がるフリはできなかったけど。

というわけで、これが今のあたしたち。また例の「頭がクラクラする」儀式をさせられようとしてるところ(ヒューヒュー言うたくさんの男子学生に囲まれて、双頭ディルドを使ったり、山のような潤滑液を使って……)。

多分、これにも合わせるつもり……もちろん、「いやいやながら」だけど。


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彼とはもうお終いだと知った。彼は遠くに行ってしまい、二度とあたしのところに帰ってこないと知った。この時ほど、それがはっきりしたことはない。あたしがホテルのベッドで、自分で自分を慰め、その一方で、彼は、あたしたちがバーで知り合った名前も知らない男に乱暴に犯されながら喜びの叫び声を上げている。

最悪なのは何かと言うと、このことをあたし自身が受け入れているということ。本当に、そう。彼は元々、男っぽい人ではなかった。あたしが彼と結婚した時、彼は自分がとても運が良いと思っていたことをあたしは知っている。彼はあたしが彼の手に届くような女じゃないと知っていた。そして、正直言えば、あたしも同じように思っていた。あたしは彼の手に届くような女じゃないと。

でも、彼はとても優しくて、とても理解がある人だった。それにとてもキュートな人でもあった。でも、誰も彼のことをハンサムな人とは言わないだろう。ハンサムという言葉自体、彼のソフトな性質を言うには荒すぎるイメージがある。

結婚すれば、彼は自信のなさから抜け出すだろうとあたしは思っていた。でも、実際は、そうなるどころか、前にも増して、引っ込み思案になっていったのだった。今から思うと、あたしは、3Pなんか提案すべきじゃなかったのだと思う。

でも、自己弁護させてもらえれば、あたしは、もし彼が女ふたりを相手にしたら、彼自身が、男っぽく、強く、そして女から求められる存在になったと感じられるのではないかと思ったのだ。もちろん、このアイデアは逆効果になってしまった。彼は、(他の女を交えての3Pではなく)他の男を交えての3Pをあたしが望んでいると思い込んでしまったからである。あたしは説明しようとしたのだけど、その前に彼は嫌そうな顔をしつつも、同意した。その事実をよく考えていたら、最終的にどういうことになってしまうかについて、あたしも悪い予感を得られたことだろう。

初めての3Pは、あまりにぎこちなくて、あたしはちょっと彼に悪いことをした感じになっていた。彼は、大半、自分で自分をいじりながらあたしと他の男との行為を見ていただけ。確かに、(傍から見たら、短い時間だったと思うけど)彼も行った。でも、あたしから見ても加わったもう一人の男から見ても、彼がとても居心地悪そうにしていたのは明らかだった。そうだったので、2ヶ月ほどした後、彼がもう一度しようと言った時には、あたしは少なからず驚いた。

あたしは彼を閉じこもっている貝から外に出してあげると心に決めていた。なので、あたしは彼にもっと積極的に行為に加わるよう励ましたのだった。でも、彼が他の男の身体に触れたのは、4回目の3Pの時になって初めてだったし、彼が、相手の男にぎこちない手つきで手コギしたのは、6回目の時になってやっとだった。初めてフェラをしたのは10回目になってから。でも、その後はダムが決壊したのか、彼も積極的に加わるようになった。あたしがセックスされるのと同じ回数、彼がアナルセックスをされるようになったのは、それから間もなくのことだった。

そして、その頃から事態が急に変になっていたのだった。

彼が仕事に行く時、あたしのパンティを履いていくのを発見した時、あたしは、それってちょっとした刺激を求めてのことだろうなと思った。でも、それからすぐに、すべてがつながっていたことに気づいたのだった。(長時間に渡る、消耗しきるような話しあいの末だけど)そのことについて彼を問い詰めたら、彼は白状したのだった。彼はずっと前から、自分が女だったらと想像するようになっていたと。彼は、それはただの妄想だと言っていたけど、強烈な衝動があるとも言っていた。

そして彼が変わっていくのが分かった。腰が大きくなり、お尻も膨らんで、次第に女性的な身体になっていく。彼は自分の身体を変えるようなことをしているのだと悟った。ホルモンだろうか? ダイエットだろうか? エクササイズだろうか? あたしには分からないけれど、それはどうでも良かった。

そして今、あたしは彼の叫び声を聞いている。彼が喜んでいる顔が見える。もう間違えようがない。彼はあたしから離れてしまったのだ。そうなってしまったことを責めるとしたら、誰でもない。あたし自身なのだ。

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分かると思うけど、彼、もう我慢できなくなっている。もう待てない。彼はケアをする段階をとっくに過ぎているわ。男性としてのアイデンティティを完全に失っているの。

彼を見て。本気で、よく見てみて。男が見える? 本物の男だったと言えそうな人が見えるかしら? もちろん、見えないわよね。そして、重要なことはその点だと思わない?

彼の身のこなしから、このポーズの取り方とか、極端に縮小した陰部に至るまで、すべてが、女おんなと叫んでいるわ。しかも、彼が実質上、おちんちんが欲しいと叫んでる事実を考慮にいれなくても、それが分かる。彼は口には出さなくとも、身体全体で欲しい欲しいと叫んでるの。あなたのおちんちんを。

そして、あなたも彼が欲しいんじゃない? ひょっとすると、あたしよりも彼の方が欲しいと思ってるかも。それはそれでいいのよ。あたしには理解できるから。彼は男にセックスしてもらって当然なの。そんな彼にふさわしくやり方であなたが彼を抱く。その様子を見るの、あたし、咎めたりしないわよ。

そうなって当然だから。それはあたしも彼もあなたも知っている。先入観を捨てて。彼は男じゃないの。だとしたら、何が問題なの?


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「準備はいいか?」 とジェイソンが言った。

デビッドは頷いた。「ええ、でも……」

「俺に見せろ」 とジェイソンは命じた。顔に邪悪な笑みを浮かべて。ためらうデビッドを見て、彼は言った。「今すぐに」 それは、命令に従う他ないのだと、有無を言わせぬ口調だった。

デビッドは左右に顔を向け確かめた。顔の動きに合わせて肩先ほどの長さの黒髪が揺れた。彼は、断ったらジェイソンが何をするか知っていた。デビッドは、ロングコートに両手の指を引っかけ、前を開いた。そして裸の女性化した身体を露わにした。ジェイソンは頷き、そしてデビッドはコートの前を閉じた。

「あそこにいる男が彼だな?」 ジェイソンは、あごで店員の方を指した。「あれがラルフだな?」

デビッドは悔しそうに下唇を噛んだ。「ええ」

「よし。何をすべきか知ってるな?」

デビッドは、小太りの店員をチラリと見た。その店員は、デビッドがかつて執拗にイジメを繰り返した男だった。そして彼はジェイソンの方に向き直った。抗議しても良いことはない。デビッドの取るべき行動は、ジェイソンが決心した瞬間に、もう定められているのである。

彼は、コートの前を閉じたまま、カウンターの前の列に並んだ。

「はい、奥様。何をお買い求めで?」 とラルフが訊いた。

デビットはほんの少しの間だけためらったが、その後、コートの前を開いた。

「こんにちは、ラルフ。多分、あたしのことが分からないかもしれないけど、あたしはデビッド・ミリングです。……高校の時の。そして、これが今のあたしの姿。あたしがあなたをかつてイジメていたのは知っています。考えつく限りのひどい悪口をたくさん言いました。でも、それはひとえに、あたしが情緒不安定だったからなんです。今のあたしは情緒不安定ではありません。あなたに経験させてしまった地獄のような体験の償いをするため、できれば、あなたにフェラをして差し上げたいのです。これまで経験したことのないような最高のフェラを」


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あんな粗野で冷酷な人間でいるべきじゃなかった。今なら分かる。後から分かったことだけど、昔のあたしがどんな人間だったか、今ははっきり分かる。毎日、客たちを見ると、昔の自分を見てるようなものだから。できれば、それにもっと早く気づいていればよかったのに。でも、脅かされなかったら、たぶん、あたしは変わることがなかっただろう。昔のあたしは、そういう人間だったから。

この状態にあたしを追い詰めた彼女は正しい。確かに、ちょっとどころじゃない残酷なところがあったけれど、あたしは、そういう目にあって当然だったから(正直に言えば、まだまだ足りなかったかも)。こうなるすべての段階で、あたしは歯向かい続けたけれど、抵抗しつつも、彼女にはあたしの男性性を弱体化させて当然だと思っていた。そうされるのをあたし自身、求めていたと思う。

昔のあたしの知り合いに会うと、みんな例外なくショックを受ける。それも当然。昔と今で、全然、違ってしまったから。身体ばかりじゃない。人格の点でも変わったから。昔は、支配的で女性虐待的な男だったのだけど、今は、こんなにあからさまに女性的で従属的になっている。なので、何もかも、驚くほど対照的に見えてしまうのだろう。たとえ、昔の自分に戻れるとしても、あたしは戻らない。今のあたしは昔より良い人間になっていると分かるから。

ステージで踊ることは、まあ一応は、楽しい。あの男たちみんなに求められることは、麻薬的な魅力がある。男たちはあたしがどんな人間か知っている。イヤと言うほど見て知っている。それでも、男たちは女を求めるのと同じくらい、あたしのことを求めてくる。そしてあたしも男たちを求める。

それが条件付けの結果なのは知っている。でも、知ってるからと言って、あたしの欲望をもっと穏やかなものに変わるわけではない。男たちにセックスされる時の快感はリアルなものだし、そういう熱い情熱に揉まれている時の快感は、男だった時にしたどんなセックスの記憶よりも、はるかに確かではっきりしたものだ。

こういう形で、あたしは今、幸せでいる。たとえそれが、造られた幸福だと知っていても、現実味が失われるわけではない。彼女は、あたしを女性化することであたしを罰したのではない。彼女はあたしに贈り物をしてくれたのだと思う。その点で、あたしは永遠に彼女に感謝している。

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あたしの脚の間にあるモノなんて関係ないんじゃない? それがあっても、あたしは女の子だし、他人が、それを変えようと言えることなんてなければ、できることもないんだから。

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「はい、チーズ!」

ミロはシャワーカーテンを横に引っぱっ。そして素早くスマホのシャッターを押した。

「おいおい、笑顔にもなっていないじゃないか」

「それは、今、あんたのことが死ぬほど嫌ってるからかもよ」とチャンドラーは言った。「ほんと、あんたがどうしてそんなに夢中になってあたしの写真を撮ってるのか、さっぱり理解できない」

「それは君が綺麗だからだよ、ベイビー」 ミロは簡潔な答えをした。

「綺麗? それが本当の答え? それにね、あたし、あんたのベイビーなんかじゃないの。あんたの囚人なんだから」

「そんなふうになるなよ。いつでも好きな時に出て行っていいんだぜ?」

「ええ、そうよねぇ。出ていけるわ。でも、そうしたらあんたはあたしの人生を破壊するでしょ? それとも、その写真をいろんなところにばら撒くんでしょ? あんたに、こんな……こんな奇人に変えられてしまっただけでも、ひどいことなのに。でも、少なくとも今はあたしの家族はこのことを知らないんだから」

「どうしてそんなこと言うのかなあ。分からないよ。本当に。僕は君に何でも上げただろ? 車も、素敵な服も。小遣いもたくさんあげてるじゃないか。旅行にも連れて行った。君の学生ローンも全額、僕が払ったんだよ。それなのに、君はまだ文句を言っている」

「そのわけは、そんなこと全部、一時的なことのはずだったからよ!」とチャンドラーは答え、自分の乳房をぎゅっと持ち上げてみせた。「これが一時的に見える? 一回の週末だけ。そのはずだったんじゃないの? あんたの知り合いたちをだますための? それが、どんどん深みにはまって行って、あんたは毎回、あたしの秘密をばらすと脅かすようになった。あんたは、あたしを操作して、脅迫して、あんたのセックス奴隷にしたんでしょ? 理解できてないことが、何かある?」

「全部、最高の結末のためのことさ」 ミロは、チャンドラーの話しを無視して言った。「そのうち分かるって」

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いつもの仕事に集中できたらいいのにって思う。もう、これがあたしの第二の天性になってからずいぶん経つから、本当はその必要はないのだけど。でも、集中できたら、あの話し声や笑い声を無視できるのにと思う。特に、あの会話が、ステージでダンスをし、腰を振っているあたしの耳を捉えて離さない。

「あれが彼だなんて信じられない」 あたしの学生時代のガールフレンドだったジョアンヌの声。「本当に信じられない」

そしてあたしの妻、別れた妻のミアの声。「あら、本当よ、信じて。彼をまっとうに変えるのにどれだけおカネを使ったことか。あなたは聞きたくないだろうけど」

「どれくらい?」 とジョアンヌが好奇心たっぷりに訊いた。

「7桁よ。でも、それだけの価値があったと思わない?」

ジョアンヌは頷いた。「完璧だものね。それに、脚の間のアノ小さなモノ……元々、大きかったとは言えなかったけど、今は本当にちっちゃい。アレで勃起できるのかしら?」

「あら、あなた、あれで勃起しているのよ」 とミアが笑った。

「でも、どうやってああなったの?」とジョアンナが訊いた。そしてあたしは、そこで聞き耳を立てるのを止めた。ミアがどういうふうにあたしを操って、あたしの会社を手放す書類にサインさせたのか、自分が一番よく知っている。彼女は、いったん実権を握ると、種々の要求を出し始め、あたしをどういうふうに変え始めたか、忘れようとしても忘れられない。最初は、ただの権力闘争にすぎず、ミアはすぐにそれに飽きるとばかり思っていた。だがそれは間違いだと分かった。それは、冷静に計算された計画だったのだ。あたしが稼いだものをすべて奪い、同時に、あたしを彼女の善意にすがるしかない存在に変える。そういう計画だったのだ。その計画が首尾よく達成されたと言うだけでは、全然、言いたりない。

そして、あたしは、合法的とは言いかねる手段で自分の会社を取り戻そうとして失敗してしまった。もちろん、ミアはあたしを捕まえ、もちろん、彼女はあたしを牢屋にぶち込むと脅かした。……彼女のすべての命令に従うなら話しは別だがと言って。牢屋に入るか女性化するか。それがミアが提示した条件だった。怖気づいたあたしは、女性化の道を選んだ。

2年間、および、無数の手術(加えて、多量の女性ホルモン)の後、あたしは以前の自分とは認識できない存在に変えられていた。さらに悪いことに、彼女はあたしにこのクラブの踊り子にし、元のガールフレンドや同僚たちを連れて来ては、その人たちにあたしの変身後の姿を見せる。毎晩、同じような言葉を耳にする。毎晩聞いても、心の痛みが麻痺することはない。

望みはただひとつ。最後にはミアも、こういうことに飽きてしまい、あたしを解放してくれるということ。元のような男には戻れないのは知っている。元のような財産を取りかえすこともないのは知っている。でも、ひょっとしたら、ミアに、あたしがどれだけ従順になれるかを示したら、彼女はあたしを自由にしてくれるかもしれない。それだけがあたしの希望。

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私は何年も前から完璧を追求し続けてきた。真に完璧を達成することはできないのは知っているが、この追及を中心に人生を形成してきたのだ。私は自分の姿を見つめる。自分がここまでなった姿を見つめる。欠点はひとつ残らず見逃さない。カツラの頭への乗り具合の不備。それに少し角ばった顎。これは男性的な骨格だ。

そんなわけで、私は陰に隠れて自分の生活を過ごしている。そういうわけで、男性性のマスクをかぶっている。誰も、本当の私を知らない。全部、周到に隠してきているから。ほんの少しでも完璧な女性性を達成していないと破滅的なことになるだろうと恐れている。人はそれを指摘するだろう。人はそれを笑うだろう。人は、いつの日か女の子になれると信じているドレスを着た男の子を笑いからかうことだろう。

だから、本当の私を見たことがある人は私だけだ。そして、それを思うたび、心が痛む。でも、いつの日か、私は完璧になる。いつの日か、私は世界に本当の自分を見せることができるようになる。でも、それまでは隠し続けるつもり。それまでは、フリを続けるつもり。

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「いい尻だな」 ニコはシャワーカーテンを引き開け、言った。「また大きくなってるんじゃねえの?」

「バカ野郎! ほっといてくれ」 パトリックはルームメイトのニコに言った。

「おいおい、俺は今、お世辞を言おうとしてるんだぜ? ねえ、ホントにいい形してるんだって」

パトリックはぷんぷん怒って、友人から顔をそむけた。何もかもが、あまりに間違った方向に進んできたし、あまりに急速に進んできたため、現実のこととはとても思えない。かつて、パトリックは、減量方法を研究する太った大学院生だったが、それが突然、砂時計のプロポーションになり始めていたのである。そんなに急速な変化ではなかったが、そうであったと言ってもおかしくない。それと言うのも、彼はしょっちゅう身体の変化への適応に追われたからである。

パトリックは、自分自身を実験台にすべきじゃないとは知っていた。だが、スリムな身体はそれほど魅力的だったのである。特に、それまでの人生、ずっとおデブな子供として過ごしてきた男にとっては、抗しきれない魅力だった。加えて、それが完全に安全だということも知っていた。研究室の動物実験でも、なんら悪い反応は出なかった。というわけで、圧倒的な自信を持って彼は自分自身にその薬剤を注射したのだった。

最初、素晴らしい効果を発揮しているように思えた。4週間以内に、15キロ落ちた。だが、数ヶ月経つと、体重減少は鎮静化し、代わりにある一定の部分が他より効果を示すことが分かってきた。特に、ウエスト部分は効果が現れ、ほっそりとなるが、逆に臀部を中心に拡大してきたのである。つまり、女性的体形としか言えないような体つきなって来たのだった。大きな腰、狭い肩とウエスト。男性の体形としては不格好。柔らかく、丸みを帯び、女性的体形。

ニコが気づき始めたのは、その頃だった。そして、パトリックも、それまでの価値観に反して、ニコのことが気になりだしたのも、その頃なのだった。

いったい僕はどうなってしまったのだろう。彼はそう思うのだった。


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自分がどこにいるか分からない。それがすごく恐い。この世界、ボクの世界とはものすごく違っている……本当に、全然、違っている。それに、ボクがどうやってこの世界に来てしまったのか、それも全然、手掛かりがない。眠った時は、いつもの現実の世界だったのに、目が覚めたらここにいた。

表面的には、単にみんなの生殖器が男女スイッチしただけのように見える。男にはバギナがあって、女にはペニスがある……どっちがどっちだか、すごく紛らわしい。何もかも間違っていると叫びたい。世界は真逆になってしまってるのよと叫びたい。でも、誰もそれを知らない。みんな幸せそうにしてる。みんな事実に気づいていないけど、幸せそうにしている。

ボク? ボクの身体もこの世界に合わせて変わってしまったみたい。いまだに自分を男と見なせるか、自分でも分からなくなっている。ボクにはペニスがあるけど、同時に乳房もできている。どう見ても女にしか見えない身体をしている。でも、この現実世界ではボクをどっちに思うのだろう?

怖いし、何が何だか分からない。見知らぬ世界でひとりぼっち。元の世界に戻りたいと、それだけがボクの望み。

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「ど、どうして私にこんなことをさせるの?」 とジェームズは訊いた。「私はあなたが望んだことをしたのよ。あなたが求めたこと、何でもすべて、私はしているのよ」

タニヤは微笑んだ。「それは、あたしがあんたにうんざりしたからよ、ジェイミー。もう、ほんとにうんざり!」

「何てこと? 信じられない……分からないわ……こんなのやりすぎだわ! このことに同意した時、こんなふうになるなんて思ってもみなかった。こんなに副作用があるなんて、考えていなかった。あなたは私に言ったわよね……」

タニヤはジェームズの言葉を遮った。「あんたが聞く必要があることはちゃんと言ったわね。真実を離したら、あんたが同意するなんてあり得なかったじゃない? 同意する男なんてどこにいるかしら? 考えてみてよ。おっぱいができると言われたら、同意してた?ちんぽが小さくなって、ほとんど使い物にならなくなると言われたら、そんなことになることをやってた? 身体の線とか、顔の表情も変わると言われてたら? あんた、男と認定できるものをほとんどすべて失ってしまったわね。 残ってるほんのわずかなものが脚の間にくっついてるけど、それで男だなんてほとんど言えないし。そうよねえ、そんな結果になると分かってたら、やらなかったはずよね?」

「もちろん、やらなかったわよ!」 とジェームズは叫んだ。「私を見てよ。私……私……奇人変人だわ!」

「そして、あんたが知ってる人は誰でも、あんたのことをそういう目で見ることになると。でも、一生、その姿のままでいたいと思うなら話しは別だけど?」

「どういうこと?」

「妊娠した後は、あたしはあんたを元の姿に変えてあげることができるのよ。あんたを変えたのはあたし。そのあたしが、あんたを元に戻せないと、あんたマジで思ってんの? でも、あたしはあんたを元に戻してあげないわ。あんたがあたしの言うことすべてに従うなら、話しは別だけど。あんたに命じることのリストの最初にあるのは、ささやかなディナーパーティを開くことね。そのパーティでは、あんたはとても可愛いマタニティ・ドレスを着ること……」

「でも、どうして……? どうしてこんなことをするの?」

「言ったでしょ? あんたにうんざりしたからだって! マッチョ気取りで、フットボールを観ながらビールをかっくらって、女を貶めることしか言わない、クズ野郎だったからよ。そんなあんたを懲らしめてやろうと思ったわけ。実験室であの大発見をした時に思ったわ。世界で最初の妊娠した『男』の候補者として、あんたが最適だってね!」 タニヤは「男」というところだけ、声に出さずに言った。

「じゃあ、これをしたら……このパンティを履いて……あのドレスを着たら……そうしたら、元に戻してくれるのよね?」

「あら、そうはならないわ。まだまだ、たくさんあるんだから」

「た、例えば……?」

「そうねえ、あんたはあたしのストラップオンにとても馴染むようになると、今はそうとだけ言っておきましょう。とても、とても馴染むようになるわよ」

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「ちょっと、トレバー、お願いだから、何か着てくれ。俺の友だちが来るだから!」

「分かってる。だからこそ、この格好になっているんだ? ジャックが来るんでしょ? お願い、ジャックが来るって言ってよ!」

「んもう! こんなことってありえない。最初、君が大学から戻ってきた時、何か……可愛い女の娘になったように見えた。それはそれで全然オーケーだった、オレ的にはね。人は変わるものだし。だが今の君は、オレの友だちを誘惑しようとしているじゃないか? もう、ほんとに、やめてくれ!」

「君には分からないよ、フィリップ! これからも分からないよ。ボクはどうしてもこうしなくちゃいけないんだ! 他の選択肢がないんだよ! 何のことを言ってるんだって訊きたいかもしれないけど、訊かないで! ただ、ボクは、こういう行動をとらないと、何か途轍もなく悪いことがボクの身に起きてしまうと、それだけ分かって。どうしようもないことだと分かってるんだけど、どうしてもこんなことをしなくちゃいけないんだ。ああ、そうだよ……ボクは君の友達にエッチしてもらうつもり。でも、ボクがそうしたいからというわけじゃないんだ。本当はイヤなんだよ。でも、そうしなくちゃダメなんだ」

「何の話をしてるんだ? それが何であれ、俺たち、君を助けてやれるよ。そうして……」

「いや、無理。どんな助けも無理。これは仕方ないことで、これからも、このままで変わらない。もうそろそろ、始まるから、君もここにいちゃいけない。どこかに行ってよ……」

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「ほんとに素敵よ!」 とジュリーが言った。

「それは良かったこと」とパトリックは皮肉っぽく言った。「本気でボクにこれをさせるつもりなのか?」

「賭けは賭けよ。そして兄さんは完敗した」 とジュリー。

「分かってるよ、でも……何と言うか……これってちょっとやりすぎじゃないかって。みんな、ボクのことをゲイか何かかって思ちゃうんじゃないかって」

「そんなことないわ。どんなに運が悪くても、誰も、兄さんのことを従妹のダイアナだと思うはず。あたしの兄だと思う人は誰もいないって」

「でも、少なくとも、もうちょっと……何と言うか……エロっぽくない服にしてくれないかなあ? それにどうしておへそにピアスをしなくちゃいけないんだ?」

「それも賭けのうちに入っていたからよ。ねえ、ちゃんと聞いて。兄さんは素敵よ。オーケー? その姿を楽しもうとすること。そうすれば、きっと楽しい時間を過ごせるわ。たかがパーティなんだから」


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これが私。
この姿で何とかやっていくこと。

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私は未来そのもの。
古い考えの新しいバージョン。
避けられないことなら、それを受け入れること。
私は、男性性の行きつく先。

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「なんと!」 マリーは、かつてのボーイフレンドだった人物をまじまじと見ながら言った。「この人が彼だなんて、ありえない。これって……ほんとに……驚きだわ」

「ええ、でも、本当なのよ」 とタマラは答えた。

マリーはふらふらになりそうなのを堪え、言った。「でも、どうやって? というか、結果は予想していたけど、これって……あたしが予想できていたことをはるかに超える結果だわ」

「ナノテクノロジーよ。顕微鏡サイズのロボットが彼の肉体を分解し、再生するのに使われたの」

マリーの顔から疑問の表情が消えないのを見て、タマラは続けた。「それは、加齢を逆行させるプロセスとして発現して、事実上、彼を白紙状態に戻すのよ。その時点では、彼は10歳から11歳くらいの状態に見えていた。それで、そこから私たちは彼を再構築し始めて、肉体の化学構成を変え、求められた変化をもたらすようにしたの。あなたの目の前にある肉体が、その結果と言うわけ」

「それにしても、ずいぶん変わった……」

「彼は、女性として生まれていたらこうなっただろうって姿になっているわ。脚の間にある小さな痕跡だけは例外としてね」 とタマラは言った。

「それで彼の心は? 彼は……何と言うか……まだこの身体の中に存在するの?」

「ええ、もちろん。彼の心は、今のところ活性化を中断された状態にあるわ。でも、彼にはすべてが聞こえている。物も見えているし、刺激にも反応するわ。心を完全に解放したら、彼は元の人格の変更バージョンに戻るでしょうね」

「変更バージョン?」

「彼は、かなり従属的な性格になるはず。満足した?」

「期待したことをはるかに超えているわ」とマリーは微笑んだ。「いつ、このプログラムの次の段階に移行する予定?」

「私たちは、全世界的規模の変革に向けて、すでにインフラを構築し始めているの。1年以内に、もちろん、前もって選ばれた繁殖用の男性を除いてだけど、すべての男性が変化を始めることになるでしょうね」


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ティムは振り向き、鋭い目つきでルーシーを睨みつけた。「前にも言ったでしょ。あたしは1分たりともあんなモノ着るつもりはないから。素っ裸で行かなくちゃいけなくなっても、気にしない」

「でも、アレをみんなに見られることになるわよ」

「いいわ、構わない! あいつは、もう何か月もあたしにランジェリーやドレスを着るように仕向けてきたの。もうこれ以上、あいつの言いなりになるつもりはないわ」

「でも、いま彼は別に何も命令してないわ! 彼は向こうにいて、私たちはここにいる。私たち、今から逃げようとしているのよ! だから、お願い」

「いやよっ!」 とティムは怒鳴り声をあげた。いや、少なくとも彼は男性的な怒鳴り声をあげたがった。だが、彼の口から出た声は、「怒鳴り声」を真似た哀れっぽい声だけだった。ティムは、この2年間、完璧な男の娘になるよう、肉体改造、調教、訓練をされてきたのである。

「いいわ、しょうがない。じゃあ、ここから脱出しましょう」

「それを今、頑張っているところじゃないの」 とティムは飛行機の操縦の仕方を思い出そうとしながら答えた。彼は頭の中が混乱していた。

「あなた、操縦の仕方を知ってると言ったじゃないの!」 ルーシーはパニックに襲われている声になっていた。

「知ってるわよ! ちょっとだけ時間をくれない? ああ、彼がこっちに来る、こっちに来てるわ!」

「あたし、またあそこに連れ戻されるなんて、イヤッ!」 ルーシーは悲鳴を上げた。

ルーシーがパニックになったことにより、ティムは必要としていた集中力を発揮し、突然、飛行機の操縦法を思い出した。スイッチをふたつ、みっつ、素早く押すと、飛行機にエンジンがかかった。その2分後、ふたりは空中に舞い上がり、誘拐者の手から逃れていた。

だが、ふたりとも言葉に出さなかったことがある。それは、ふたりとも誘拐者から逃れたものの、どちらも、あの誘拐者の影響から真の意味で自由になっているわけではないという自覚であった。

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「行きなさい!」 タミーが怒鳴った。「ぐずぐずせずに、向こうに行って、お客様をもてなすのよ!」

あたしは叫びたかった。抵抗し、歯向かいたかった。でも、実際は、弱々しく命令に従うことしかできなかった。それほど、あたしたちへの条件付けは奥深いものだった。つまり、あたしたちが自分たちの状況についていかに思おうとも、それに対して何もすることができないよう、あたしたちは奥深い条件付けを受けていたのである。別に鎖でつながれているわけではなかったけれど、それにもかかわらず、あたしたちは奴隷になっていた。もちろん、そのことが重要なポイントだった。結局のところ、懲罰というものは、快楽を得られるものであってはならないのだから。

でも、こんな極端な懲罰は、本当にあの犯罪にふさわしいものだったの? 別に、あたしたちが行ったことは悪いことではなかったなどと言うつもりはない。実際、悪いことだった。でも、あたしたちを完全に女性化して、奴隷にするなんて? そんなことは、あたしたちが行った犯罪に対する懲罰だとしても、極端だし、残酷なことのように思える。

ええ、悪いことだったわ。あたしたちが悪者で、あたしたちの行為が非難されるべきことなのは否定しようがない。あたしには、そのことは今は分かっている。あの時、劣情にかられたあまり、あたしはアレをレ○プとは考えていなかった。でも、彼女たちはそう思った。彼女たちは男子寮にやってきて、みんな酒を飲んで酔っていた……まあ、そうなると、ああいうことになるというのは誰でも分かると思う。確かに、彼女たちは、しらふだったらああいうことはしなかっただろう。でも、それはあたしたちも同じだ。しらふだったら、あたしたちもしなかった。だって、あの娘たちの中の何人かは……何と言うか、飛びきり可愛い娘というわけじゃなかったわけだし。でも、そんなことは関係ない。少なくとも今は。あたしたちが悪かったのだ。今はそれは分かっている。あの状況につけこんでしまったのは、あたしたちの判断が愚かだったから。彼女たちのせいじゃない。

あの女の子たちが連帯したら、その後、彼女たちがあたしたちに償いを求めてくるのは時間の問題だった。そして、ああ、その償いといったら……。彼女たちは警察に訴えることはしなかった。その代わり、自分たちの手であたしたちに償いをさせる方を選んだのだった。

催眠術が本当に効くなんて考えたこともなかった。あたしが悪かったと言うだけでは、途轍もなく、過小評価となるだろう。彼女たちは、時間はかかったけれど、結局は、望むところへとあたしたちを引き出した。そして彼女たちはあたしたちを変えたのだった。ホルモンやら、手術やら……何でもかんでも。すべて、あたしたちを懲罰する目的のために行われた。

そのすべてが終わると、今度は、彼女たちはあたしたちを女子寮に引っ越しさせ、あたしたちを奴隷として使い始めた。あたしたちに、オーガズムに至るまで舐めさせる女の子たちもいたし、あたしたち同士でプレーさせ、それを見る女の子たちもいた。さらには、本物の男たちにあたしたちを犯させ、それを見て楽しむ女の子たちもいた。あたしたちには、彼女たちに何を命令されても、選択の余地がない。

でも、さっきも言ったように、あたしたちは、こういう目にあって当然なのだ。

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隣に住む友達をガレージに連れながら、カレブが言った。「ええ、マーク、あなたが探してるファスナー、確か、ここのどこかにあったと思うわ。ちょっと待っててくれる? 探すから」

カレブがガレージの中を探し始めるのを見ながら、マークが言った。「おい、俺はファスナーなんか、いらないよ。俺はただ……」 マークは適切な言葉が思いつかなかった。「ただ、何と言うか……これは何なんだって言うか。いったい、お前に何があったんだ?」

「どういうこと?」

カレブは、友だちの苛立ちにほとんど気づいていない様子だった。彼はファスナーを見つけ、棚から出した。「はい、これ」

カレブはマニキュアを塗った手を出し、マークにファスナーを差し出した。だが、マークは彼の手をピシャリと叩いた。「言っただろう! 俺は、ファスナーなんか、探してないってよ!」

「どうしたの?」 とカレブは訊いた。彼の友人が何かにひどく腹を立てているということにようやく気づいたらしい。

「どうしたの、だって?」 マークは頭を左右に振った。「どうしたの、って?……あのなあ、どうしたのか、ちゃんと言ってやるよ。お前、自分の格好を見てみろよ。お前、何ヶ月かオレゴンに行っていて、それで帰ってきたと思ったら……お前、自分の着てる服を見てみろよ!」

「これ? ただの服だけど? ちょっと、これはただの服。いい? 前にあたしが着ていた服とはちょっと違ってるのは知ってるわ。でも、これは新しいスタイルなの。ジャネットが気に入ってる服なの。それに、よく言うでしょ? ハッピー・ワイフならハッピー・ライフだって」

「単に服の問題じゃねえんだよ。何もかもだ。お前におっぱいがあったら、俺は間違いなく、お前は女だって言うぜ! おっぱいがなくても、お前がビッキーより女っぽい身体つきになっている」

「あら、ありがとう。嬉しいわ……知ってる? これはヨガのおかげ。それに草食主義のおかげでもあるわね。もし興味があったら、教えてあげるわよ」

「バカ野郎、お世辞のつもりで言ったんじゃねえよ! それにな、お願いだから、その『~わ』って言い方、やめてくれ。いったい何が起きてるのか言ってくれよ」

「いいわよ、じゃあ取引しましょう。これがあんたにとって奇妙に見えてるのは分かるわ。でも、今のあたしは西に行く前のあたしとは同じじゃないことは分かってほしいの。だから、今のあたしに慣れてくれないと。もし、それがイヤだと言うなら……まあ、その時は、あたしたち友達じゃないと言うことになるわね」

「でも……」

「でもも、何もないわ。受け入れるか、受け入れないか。でも、受け入れられないなら、あんたには帰ってってほしいと思うわ」


[2016/03/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)