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女性化キャプション3 (3) 

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「ワーオ! ホントびっくり! 素敵よ」 とサマンサは彼氏を見つめて言った。

イアンは恥ずかしそうにうつむいた。「ほんとにそう思う? ちょっと派手な感じがしてるんだが。今回のこと、あんまり速く展開してて、どうしても、ちょっと心配になってるんだ」

サマンサは微笑んだ。「分かるわ。でも、あたしを信じて。あなたはとっても素敵よ。ここまでしてくれて、本当にありがとう」

イアンも微笑み返した。「君が求めたことだから」

必要な説明はそれだけだった。彼は彼女が求めることなら何でも行う。それはふたりとも知っていた。イアンはそれほどサマンサに夢中なのである。

サマンサは彼に近づき、耳元に囁いた。「でもね、バレンタイン・デーにドレスを着てくれるような男は、ただ者じゃないわ」

「僕はただ者じゃないから」 イアンはそう答えた。サマンサが顔を近づけると、彼は引きさがった。「ヤメて、口紅が台無しになっちゃう」

サマンサは、うふふと笑った。「その言葉、あなたの口から出てくるとは思ってなかったわ」

イアンは肩をすくめた。「僕も、そんな言葉を言うとは思っていなかったよ。でも、僕たちは今の姿になっている」

「いいことを思いついたわ」とサマンサは、イアンから離れながら言った。「でも、ノーと言わずに、最後まで聞いてね。いい? 初めて言うことだから」

「う、うん。いいけど……?」 とイアンは呟いた。

「一緒にお出かけしない? あたしたちレスビアンのフリをするの。そして……」

「ええ? でも、知ってる人に会ったらどうする? できっこないよ……」

「ベイエリアに行くのは? あそこならあたしたちの知り合いはいないわ。それに、そこからホテルに行ってもいいし、そして……。素敵な夜になるわ。すぐに分かるから」

「でも、何と言うか……それって」 イアンは口ごもった。「と言うか……もし君が望むなら……」

「最高!」 とサマンサは言った。「さあ、ハンドバッグを持って、7時に予約を入れてあるの」

「よ、予約?」 イアンは、自分がどんなことに首を突っ込んでしまったのだろうと思った。

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この男たち、あたしたちをこういう状況に追い込んで、自分たちがとても賢いと思っているんじゃない? それに、あたしたちのことを、これから何が起きるか分かっていないほどウブで、マヌケだと思ってるんじゃない? あたしたちが、それほどオツムが空っぽだと。違う?

あたしたち、学生社交クラブに入会する誓約をした瞬間から、こういう状況になるのを知っていたのよ。他のみんなと同じく、こういう話しは耳にしていたから。フリルがついたランジェリ姿になってちゃらちゃら歩きまわるように仕向けられ、大きくて強そうな男子学生たちにからかわれるって話しでしょ? ええ、そうやって、お願い!

ちょっと? あなたたちが何を考えてるか分かるわ。ちゃんと分かる。本当よ。でも、あなたたちが理解しなくちゃいけないことは、あたしたちが典型的な男子学生ではないということ。もっと言えば、そもそも、あたしたちは男だとは言えないということ。あたしたちは、頭のてっぺんからつま先まで、完全に男の娘なの。ええ、そのことについて、謝る気持ちなんてないけどね。

そんなわけで、彼らに無理やりパンティを履かせられた時も、あたしたちは「いやいやながら」それに従ったわ。あたしたちふたりで互いにいちゃつくように無理やりさせられた時も、「ためらう」フリをしてそれに従った。それに、クラブの会長の太くて、お汁たっぷりのおちんちんをしゃぶらされた時も……まあ、その時は嫌がるフリはできなかったけど。

というわけで、これが今のあたしたち。また例の「頭がクラクラする」儀式をさせられようとしてるところ(ヒューヒュー言うたくさんの男子学生に囲まれて、双頭ディルドを使ったり、山のような潤滑液を使って……)。

多分、これにも合わせるつもり……もちろん、「いやいやながら」だけど。


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彼とはもうお終いだと知った。彼は遠くに行ってしまい、二度とあたしのところに帰ってこないと知った。この時ほど、それがはっきりしたことはない。あたしがホテルのベッドで、自分で自分を慰め、その一方で、彼は、あたしたちがバーで知り合った名前も知らない男に乱暴に犯されながら喜びの叫び声を上げている。

最悪なのは何かと言うと、このことをあたし自身が受け入れているということ。本当に、そう。彼は元々、男っぽい人ではなかった。あたしが彼と結婚した時、彼は自分がとても運が良いと思っていたことをあたしは知っている。彼はあたしが彼の手に届くような女じゃないと知っていた。そして、正直言えば、あたしも同じように思っていた。あたしは彼の手に届くような女じゃないと。

でも、彼はとても優しくて、とても理解がある人だった。それにとてもキュートな人でもあった。でも、誰も彼のことをハンサムな人とは言わないだろう。ハンサムという言葉自体、彼のソフトな性質を言うには荒すぎるイメージがある。

結婚すれば、彼は自信のなさから抜け出すだろうとあたしは思っていた。でも、実際は、そうなるどころか、前にも増して、引っ込み思案になっていったのだった。今から思うと、あたしは、3Pなんか提案すべきじゃなかったのだと思う。

でも、自己弁護させてもらえれば、あたしは、もし彼が女ふたりを相手にしたら、彼自身が、男っぽく、強く、そして女から求められる存在になったと感じられるのではないかと思ったのだ。もちろん、このアイデアは逆効果になってしまった。彼は、(他の女を交えての3Pではなく)他の男を交えての3Pをあたしが望んでいると思い込んでしまったからである。あたしは説明しようとしたのだけど、その前に彼は嫌そうな顔をしつつも、同意した。その事実をよく考えていたら、最終的にどういうことになってしまうかについて、あたしも悪い予感を得られたことだろう。

初めての3Pは、あまりにぎこちなくて、あたしはちょっと彼に悪いことをした感じになっていた。彼は、大半、自分で自分をいじりながらあたしと他の男との行為を見ていただけ。確かに、(傍から見たら、短い時間だったと思うけど)彼も行った。でも、あたしから見ても加わったもう一人の男から見ても、彼がとても居心地悪そうにしていたのは明らかだった。そうだったので、2ヶ月ほどした後、彼がもう一度しようと言った時には、あたしは少なからず驚いた。

あたしは彼を閉じこもっている貝から外に出してあげると心に決めていた。なので、あたしは彼にもっと積極的に行為に加わるよう励ましたのだった。でも、彼が他の男の身体に触れたのは、4回目の3Pの時になって初めてだったし、彼が、相手の男にぎこちない手つきで手コギしたのは、6回目の時になってやっとだった。初めてフェラをしたのは10回目になってから。でも、その後はダムが決壊したのか、彼も積極的に加わるようになった。あたしがセックスされるのと同じ回数、彼がアナルセックスをされるようになったのは、それから間もなくのことだった。

そして、その頃から事態が急に変になっていたのだった。

彼が仕事に行く時、あたしのパンティを履いていくのを発見した時、あたしは、それってちょっとした刺激を求めてのことだろうなと思った。でも、それからすぐに、すべてがつながっていたことに気づいたのだった。(長時間に渡る、消耗しきるような話しあいの末だけど)そのことについて彼を問い詰めたら、彼は白状したのだった。彼はずっと前から、自分が女だったらと想像するようになっていたと。彼は、それはただの妄想だと言っていたけど、強烈な衝動があるとも言っていた。

そして彼が変わっていくのが分かった。腰が大きくなり、お尻も膨らんで、次第に女性的な身体になっていく。彼は自分の身体を変えるようなことをしているのだと悟った。ホルモンだろうか? ダイエットだろうか? エクササイズだろうか? あたしには分からないけれど、それはどうでも良かった。

そして今、あたしは彼の叫び声を聞いている。彼が喜んでいる顔が見える。もう間違えようがない。彼はあたしから離れてしまったのだ。そうなってしまったことを責めるとしたら、誰でもない。あたし自身なのだ。

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分かると思うけど、彼、もう我慢できなくなっている。もう待てない。彼はケアをする段階をとっくに過ぎているわ。男性としてのアイデンティティを完全に失っているの。

彼を見て。本気で、よく見てみて。男が見える? 本物の男だったと言えそうな人が見えるかしら? もちろん、見えないわよね。そして、重要なことはその点だと思わない?

彼の身のこなしから、このポーズの取り方とか、極端に縮小した陰部に至るまで、すべてが、女おんなと叫んでいるわ。しかも、彼が実質上、おちんちんが欲しいと叫んでる事実を考慮にいれなくても、それが分かる。彼は口には出さなくとも、身体全体で欲しい欲しいと叫んでるの。あなたのおちんちんを。

そして、あなたも彼が欲しいんじゃない? ひょっとすると、あたしよりも彼の方が欲しいと思ってるかも。それはそれでいいのよ。あたしには理解できるから。彼は男にセックスしてもらって当然なの。そんな彼にふさわしくやり方であなたが彼を抱く。その様子を見るの、あたし、咎めたりしないわよ。

そうなって当然だから。それはあたしも彼もあなたも知っている。先入観を捨てて。彼は男じゃないの。だとしたら、何が問題なの?


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「準備はいいか?」 とジェイソンが言った。

デビッドは頷いた。「ええ、でも……」

「俺に見せろ」 とジェイソンは命じた。顔に邪悪な笑みを浮かべて。ためらうデビッドを見て、彼は言った。「今すぐに」 それは、命令に従う他ないのだと、有無を言わせぬ口調だった。

デビッドは左右に顔を向け確かめた。顔の動きに合わせて肩先ほどの長さの黒髪が揺れた。彼は、断ったらジェイソンが何をするか知っていた。デビッドは、ロングコートに両手の指を引っかけ、前を開いた。そして裸の女性化した身体を露わにした。ジェイソンは頷き、そしてデビッドはコートの前を閉じた。

「あそこにいる男が彼だな?」 ジェイソンは、あごで店員の方を指した。「あれがラルフだな?」

デビッドは悔しそうに下唇を噛んだ。「ええ」

「よし。何をすべきか知ってるな?」

デビッドは、小太りの店員をチラリと見た。その店員は、デビッドがかつて執拗にイジメを繰り返した男だった。そして彼はジェイソンの方に向き直った。抗議しても良いことはない。デビッドの取るべき行動は、ジェイソンが決心した瞬間に、もう定められているのである。

彼は、コートの前を閉じたまま、カウンターの前の列に並んだ。

「はい、奥様。何をお買い求めで?」 とラルフが訊いた。

デビットはほんの少しの間だけためらったが、その後、コートの前を開いた。

「こんにちは、ラルフ。多分、あたしのことが分からないかもしれないけど、あたしはデビッド・ミリングです。……高校の時の。そして、これが今のあたしの姿。あたしがあなたをかつてイジメていたのは知っています。考えつく限りのひどい悪口をたくさん言いました。でも、それはひとえに、あたしが情緒不安定だったからなんです。今のあたしは情緒不安定ではありません。あなたに経験させてしまった地獄のような体験の償いをするため、できれば、あなたにフェラをして差し上げたいのです。これまで経験したことのないような最高のフェラを」


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あんな粗野で冷酷な人間でいるべきじゃなかった。今なら分かる。後から分かったことだけど、昔のあたしがどんな人間だったか、今ははっきり分かる。毎日、客たちを見ると、昔の自分を見てるようなものだから。できれば、それにもっと早く気づいていればよかったのに。でも、脅かされなかったら、たぶん、あたしは変わることがなかっただろう。昔のあたしは、そういう人間だったから。

この状態にあたしを追い詰めた彼女は正しい。確かに、ちょっとどころじゃない残酷なところがあったけれど、あたしは、そういう目にあって当然だったから(正直に言えば、まだまだ足りなかったかも)。こうなるすべての段階で、あたしは歯向かい続けたけれど、抵抗しつつも、彼女にはあたしの男性性を弱体化させて当然だと思っていた。そうされるのをあたし自身、求めていたと思う。

昔のあたしの知り合いに会うと、みんな例外なくショックを受ける。それも当然。昔と今で、全然、違ってしまったから。身体ばかりじゃない。人格の点でも変わったから。昔は、支配的で女性虐待的な男だったのだけど、今は、こんなにあからさまに女性的で従属的になっている。なので、何もかも、驚くほど対照的に見えてしまうのだろう。たとえ、昔の自分に戻れるとしても、あたしは戻らない。今のあたしは昔より良い人間になっていると分かるから。

ステージで踊ることは、まあ一応は、楽しい。あの男たちみんなに求められることは、麻薬的な魅力がある。男たちはあたしがどんな人間か知っている。イヤと言うほど見て知っている。それでも、男たちは女を求めるのと同じくらい、あたしのことを求めてくる。そしてあたしも男たちを求める。

それが条件付けの結果なのは知っている。でも、知ってるからと言って、あたしの欲望をもっと穏やかなものに変わるわけではない。男たちにセックスされる時の快感はリアルなものだし、そういう熱い情熱に揉まれている時の快感は、男だった時にしたどんなセックスの記憶よりも、はるかに確かではっきりしたものだ。

こういう形で、あたしは今、幸せでいる。たとえそれが、造られた幸福だと知っていても、現実味が失われるわけではない。彼女は、あたしを女性化することであたしを罰したのではない。彼女はあたしに贈り物をしてくれたのだと思う。その点で、あたしは永遠に彼女に感謝している。

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あたしの脚の間にあるモノなんて関係ないんじゃない? それがあっても、あたしは女の子だし、他人が、それを変えようと言えることなんてなければ、できることもないんだから。

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「はい、チーズ!」

ミロはシャワーカーテンを横に引っぱっ。そして素早くスマホのシャッターを押した。

「おいおい、笑顔にもなっていないじゃないか」

「それは、今、あんたのことが死ぬほど嫌ってるからかもよ」とチャンドラーは言った。「ほんと、あんたがどうしてそんなに夢中になってあたしの写真を撮ってるのか、さっぱり理解できない」

「それは君が綺麗だからだよ、ベイビー」 ミロは簡潔な答えをした。

「綺麗? それが本当の答え? それにね、あたし、あんたのベイビーなんかじゃないの。あんたの囚人なんだから」

「そんなふうになるなよ。いつでも好きな時に出て行っていいんだぜ?」

「ええ、そうよねぇ。出ていけるわ。でも、そうしたらあんたはあたしの人生を破壊するでしょ? それとも、その写真をいろんなところにばら撒くんでしょ? あんたに、こんな……こんな奇人に変えられてしまっただけでも、ひどいことなのに。でも、少なくとも今はあたしの家族はこのことを知らないんだから」

「どうしてそんなこと言うのかなあ。分からないよ。本当に。僕は君に何でも上げただろ? 車も、素敵な服も。小遣いもたくさんあげてるじゃないか。旅行にも連れて行った。君の学生ローンも全額、僕が払ったんだよ。それなのに、君はまだ文句を言っている」

「そのわけは、そんなこと全部、一時的なことのはずだったからよ!」とチャンドラーは答え、自分の乳房をぎゅっと持ち上げてみせた。「これが一時的に見える? 一回の週末だけ。そのはずだったんじゃないの? あんたの知り合いたちをだますための? それが、どんどん深みにはまって行って、あんたは毎回、あたしの秘密をばらすと脅かすようになった。あんたは、あたしを操作して、脅迫して、あんたのセックス奴隷にしたんでしょ? 理解できてないことが、何かある?」

「全部、最高の結末のためのことさ」 ミロは、チャンドラーの話しを無視して言った。「そのうち分かるって」

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いつもの仕事に集中できたらいいのにって思う。もう、これがあたしの第二の天性になってからずいぶん経つから、本当はその必要はないのだけど。でも、集中できたら、あの話し声や笑い声を無視できるのにと思う。特に、あの会話が、ステージでダンスをし、腰を振っているあたしの耳を捉えて離さない。

「あれが彼だなんて信じられない」 あたしの学生時代のガールフレンドだったジョアンヌの声。「本当に信じられない」

そしてあたしの妻、別れた妻のミアの声。「あら、本当よ、信じて。彼をまっとうに変えるのにどれだけおカネを使ったことか。あなたは聞きたくないだろうけど」

「どれくらい?」 とジョアンヌが好奇心たっぷりに訊いた。

「7桁よ。でも、それだけの価値があったと思わない?」

ジョアンヌは頷いた。「完璧だものね。それに、脚の間のアノ小さなモノ……元々、大きかったとは言えなかったけど、今は本当にちっちゃい。アレで勃起できるのかしら?」

「あら、あなた、あれで勃起しているのよ」 とミアが笑った。

「でも、どうやってああなったの?」とジョアンナが訊いた。そしてあたしは、そこで聞き耳を立てるのを止めた。ミアがどういうふうにあたしを操って、あたしの会社を手放す書類にサインさせたのか、自分が一番よく知っている。彼女は、いったん実権を握ると、種々の要求を出し始め、あたしをどういうふうに変え始めたか、忘れようとしても忘れられない。最初は、ただの権力闘争にすぎず、ミアはすぐにそれに飽きるとばかり思っていた。だがそれは間違いだと分かった。それは、冷静に計算された計画だったのだ。あたしが稼いだものをすべて奪い、同時に、あたしを彼女の善意にすがるしかない存在に変える。そういう計画だったのだ。その計画が首尾よく達成されたと言うだけでは、全然、言いたりない。

そして、あたしは、合法的とは言いかねる手段で自分の会社を取り戻そうとして失敗してしまった。もちろん、ミアはあたしを捕まえ、もちろん、彼女はあたしを牢屋にぶち込むと脅かした。……彼女のすべての命令に従うなら話しは別だがと言って。牢屋に入るか女性化するか。それがミアが提示した条件だった。怖気づいたあたしは、女性化の道を選んだ。

2年間、および、無数の手術(加えて、多量の女性ホルモン)の後、あたしは以前の自分とは認識できない存在に変えられていた。さらに悪いことに、彼女はあたしにこのクラブの踊り子にし、元のガールフレンドや同僚たちを連れて来ては、その人たちにあたしの変身後の姿を見せる。毎晩、同じような言葉を耳にする。毎晩聞いても、心の痛みが麻痺することはない。

望みはただひとつ。最後にはミアも、こういうことに飽きてしまい、あたしを解放してくれるということ。元のような男には戻れないのは知っている。元のような財産を取りかえすこともないのは知っている。でも、ひょっとしたら、ミアに、あたしがどれだけ従順になれるかを示したら、彼女はあたしを自由にしてくれるかもしれない。それだけがあたしの希望。

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私は何年も前から完璧を追求し続けてきた。真に完璧を達成することはできないのは知っているが、この追及を中心に人生を形成してきたのだ。私は自分の姿を見つめる。自分がここまでなった姿を見つめる。欠点はひとつ残らず見逃さない。カツラの頭への乗り具合の不備。それに少し角ばった顎。これは男性的な骨格だ。

そんなわけで、私は陰に隠れて自分の生活を過ごしている。そういうわけで、男性性のマスクをかぶっている。誰も、本当の私を知らない。全部、周到に隠してきているから。ほんの少しでも完璧な女性性を達成していないと破滅的なことになるだろうと恐れている。人はそれを指摘するだろう。人はそれを笑うだろう。人は、いつの日か女の子になれると信じているドレスを着た男の子を笑いからかうことだろう。

だから、本当の私を見たことがある人は私だけだ。そして、それを思うたび、心が痛む。でも、いつの日か、私は完璧になる。いつの日か、私は世界に本当の自分を見せることができるようになる。でも、それまでは隠し続けるつもり。それまでは、フリを続けるつもり。

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「いい尻だな」 ニコはシャワーカーテンを引き開け、言った。「また大きくなってるんじゃねえの?」

「バカ野郎! ほっといてくれ」 パトリックはルームメイトのニコに言った。

「おいおい、俺は今、お世辞を言おうとしてるんだぜ? ねえ、ホントにいい形してるんだって」

パトリックはぷんぷん怒って、友人から顔をそむけた。何もかもが、あまりに間違った方向に進んできたし、あまりに急速に進んできたため、現実のこととはとても思えない。かつて、パトリックは、減量方法を研究する太った大学院生だったが、それが突然、砂時計のプロポーションになり始めていたのである。そんなに急速な変化ではなかったが、そうであったと言ってもおかしくない。それと言うのも、彼はしょっちゅう身体の変化への適応に追われたからである。

パトリックは、自分自身を実験台にすべきじゃないとは知っていた。だが、スリムな身体はそれほど魅力的だったのである。特に、それまでの人生、ずっとおデブな子供として過ごしてきた男にとっては、抗しきれない魅力だった。加えて、それが完全に安全だということも知っていた。研究室の動物実験でも、なんら悪い反応は出なかった。というわけで、圧倒的な自信を持って彼は自分自身にその薬剤を注射したのだった。

最初、素晴らしい効果を発揮しているように思えた。4週間以内に、15キロ落ちた。だが、数ヶ月経つと、体重減少は鎮静化し、代わりにある一定の部分が他より効果を示すことが分かってきた。特に、ウエスト部分は効果が現れ、ほっそりとなるが、逆に臀部を中心に拡大してきたのである。つまり、女性的体形としか言えないような体つきなって来たのだった。大きな腰、狭い肩とウエスト。男性の体形としては不格好。柔らかく、丸みを帯び、女性的体形。

ニコが気づき始めたのは、その頃だった。そして、パトリックも、それまでの価値観に反して、ニコのことが気になりだしたのも、その頃なのだった。

いったい僕はどうなってしまったのだろう。彼はそう思うのだった。

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[2016/03/10] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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