「ああ・・・」
イサベラは落胆の溜息を漏らした。
急いで身体を捩り、8人はゆうに眠れそうな巨大なベッドの中央に畳まれて置かれているシーツに手を伸ばそうとした。それで裸体を隠そうと思ったのである。だが、その柔らかいシーツに手が届きそうになる前に、レオンの身体が彼女の上にのしかかっていた。長い腕が伸び、シーツを掴もうとする彼女の腕を押さえてしまう。
イサベラは、開いているもう片方の腕で彼を押し戻そうとした。だが、それは、ライオンの鈎爪から逃れようとする蝶に等しい行為だった。
「あうっ・・・!」
体重をかけてのしかかられ、イサベラはハッと息を呑んだ。レオンがシーツをベッドの遠くへ放り投げる間、さらに体重を乗せられ、マットレスに張り付けられて身動きできない。
それでも、その巨体の下、彼女は必死にもがき、幅広の肩を押しのけようとした。彼女がレオンの逞しい肩を押す間、レオンは下方で脚を絡ませあわせ、彼女の脚の間に太ももをよじ入れていた。
必死になりつつもイサベラは抵抗は無駄かもしれないと思った。だが、その瞬間、突然、簡単にレオンの体を押し離すことができたのだった。何かおかしいと思った時、レオンの大きな手が彼女の細くくびれた腰を掴み、持ち上げられるのを感じた。レオンは、イサベラの腰を抱えたまま、ごろりと身体を回転させ仰向けになった。
イサベラは両膝でレオンを挟み、彼の体をまたがる格好になっていた。無意識的に上体を前に倒す。彼女は、レオンから逃れようと必死にもがき続ける間、自から自分の柔肉で男の熱く逞しい筋肉を擦り、身体を押し付けている危険を冒していたことに気づかなかったのである。シーツで裸を隠すことだけを必死に追い求め、自ら大きく広げた太ももで逞しい男の肉体を捕らえ、その体の上で、若々しい双乳を揺さぶり、見せ付ける効果を与えていたことに気づかなかったのだった。
レオンは唸り声をあげ、体を起こし、イサベラの乳頭を口で捕らえた。突然、敏感な乳首を吸われ、イサベラは身体を凍らせた。
お遊びのじゃれあいはもう充分だ。そう思い、レオンは再び体を回転させ、イサベラの若い肉体を自分の下へ引き戻した。そして、イサベラの深緑の瞳をにらみつけた。
彼は、イサベラが腹を押し付ける剛直に気づいた瞬間のことをはっきり分かった。それを感じ、彼女が恐怖に眼を見開いたからである。レオンは、ゆっくりと顔を崩した。危険な香りがする笑顔だった。
- 2008/05/30(金) 12:44:19|
- 無垢の人質 第2章
-
-
| コメント:0